1-9(9)招かれざる客
この小説は練習みたいなものです。急にやめるかもしれないです。投稿不定期、投稿後に編集するかもしれません。その上で辻褄が合わなかったりすることもあるかもしれませんが、読んでアドバイスや感想いただけると幸いです。
装甲輸送艦。その正体は、戦艦の骨組みに旗艦装備と巡洋艦の装甲・武装を搭載した、言わば最高級の輸送艦である。輸送艦のフリをした巡洋艦とも呼ばれるが、最大の特徴はその大きさにある。てか大きくて重すぎる。これが普段ならAI管制でなんの問題もないが、強制ワープ解除みたいな緊急時には仇となる。他の艦では動かしずらすぎるのだ。
通常空間に出てきた装甲輸送艦は、案の定とんでもない回転をしていた。今は「雪風」の連装砲塔からのアトラクターにより、回転が減速しつつある。ただ減速に3基6門の主砲全てが取られているため、今は他の艦の牽引や対艦戦闘ができない状態だ。
(ぼちぼち駆逐艦クラスも出てきてるが、人数的にも規模的にも後回しにせざるを得ないんだよなぁ)
【おい、聞こえてるか?緊急だ】
「雪風」から流した信号ブイとターレットに囲まれてる、囮役の巡洋艦から通信が入った。
「聞こえてるぞ。声色からして碌なことじゃなさそうだが」
【全く碌でもねぇよ。宙賊が先に来やがった。ミサイル艇が2隻。母艦は見えねぇ】
「警備艦隊の先遣隊だった〜っていう可能性とかないか?」
【あんな馬鹿みたいにレーダー撒きまくってる警備艦隊とかいねぇよ。いたら驚くわ。大体通信の一本も入れずに攻撃レーダーで照らす奴を友軍だと思えるか?】
「まず間違いなく敵だな」
【そういうこった。もうそっちは見られてるみてぇだ。まっすぐ向かってるようだぞ。どうする?】
「どうするもこうするも、まだ旗艦の復帰はできてないぞ?」
【とはいえ今んとこ唯一の救難艦がやられると俺らが詰むんだが…こっちの火器管制もまだ死んでるから、そっちに頼むしかねぇんだよ】
全くもってタイミングが悪い。雪風の主砲だとミサイルは墜としずらいし、コスパが悪い。そもそも主砲は装甲輸送艦の回転を止めるために、アトラクターモードですべてを使用している。となると頼りになるのは近接防御のレーザーたちだが、これらもアトラクターにエネルギーが取られているせいで、瓦礫を溶かす程度の出力しか出せない。
警告音が鳴り、ロックオンされたことを知らせるランプが黄色に点滅する。迷っている時間はない。宙賊は、自分たちが物資の鹵獲をするための邪魔者から攻撃する。つまり一番最初に「雪風」が狙われるわけだ。
「あーこっちは忙しいってのに!」
アトラクターを止め、主砲を旋回しながら砲撃モードに切り替える。ミサイル艇からミサイルを撃たれると、一気に迎撃しづらくなるから、母艦を優先して叩く。
「ここと…そこだっ!」
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投稿 2023/12/09