6-3(85) カフディの歴史
ここらのコロニーの歴史です。おかしいなこんな物作る予定じゃなかったのに…フヨクルフなんて影も形も無かったのに、なんでこんなパズルみたいにハマるんだ?
カフディは、最初はただの小惑星だった。いや、「ただの」とは間違っているかもしれない。そこの小惑星帯の中でも、かなり大きい小惑星だった。
あるとき、その小惑星帯の開発が始まった。彼らは1番大きかった小惑星にまず手をつけ、その内部を採掘すると同時に、前線拠点化を行った。この頃に、この大きな小惑星に「カフディ」の名前がついた。
カフディ内部はアリの巣のように掘り進められていった。それと並行して、周辺の比較的小さい小惑星での採掘も始まった。カフディの補給基地としての役目はどんどん大きくなり、また鉱石精錬用の工場が、|鉱石の搬入しやすい場所《アリの巣の入り口》に作られた。今やカフディは、一際大きな採掘基幹港であった。そして精錬された鉱石が大量に送られたベイスヘも、大きく発展することとなる。
やがてカフディ付近の小惑星資源は枯渇した。しかし彼らは小惑星の残り滓をまとめ、近海に漂わせた。技術革新でさらに資源を採掘できるようになる、という目論見があったという。そして周辺宙域に新しい小惑星を運んでくることで、カフディは採掘基幹港であり続けた。
カフディ内部の精錬区画もまた発展した。放熱や恒星エネルギー確保のため、小惑星の浅い部分あるいは表面に、さまざまな精錬工場が作られた。
採掘基幹港・精錬場としての黄金期である。
そんなカフディコロニーに転機が訪れた。フヨクルフの小惑星帯の発見である。
この時はだいぶ揉めたらしい。いっそのことカフディを前線基地としてフヨクルフまで移動させる派、今まで通りフヨクルフからカフディに小惑星を移動させる派、そして新たに前線基地を製作する派に分かれ、日夜話し合ったそうだ。
結果として、フヨクルフには新しい前線基地を設置することになった。今のフヨクルフ集積場である。理由としては、カフディを動かすことも小惑星を運ぶことも、距離と量的にコストがかかりすぎること、そしてベイスヘの人口が増え、工業区というより総合コロニーになりつつあったことが挙げられる。ベイスヘから加工業務を引き継ぎ、というかカフディを加工専門コロニーとし、工業コロニーに仕立て上げようという魂胆だった。
こうしてフヨクルフ集積場が生まれ、カフディが採掘基幹港から工業コロニーになり、ベイスヘはコロニー群となった。
そして、カフディの精錬工場と小惑星の残り滓は、今となっては殆ど忘れ去られている。
タイトル通し番号間違ってて笑えない…
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2025/05/21 投稿