5-13(80) アトラクター使いの巡洋艦
「なんで居るんですか!?サラキエルの方の巡回してたじゃないですか?」
「上に無理言って回してもらった〜」
「はぁ!?」
なぜ海軍がこの人を置いておくのかわからない。いや優秀なんだけど、これを許すほどか…?
「…それはいいとしましょう。なんで重巡じゃなくて軽巡が旗艦なんですか!」
「もぎとった〜、いぇい!」
絶句していると、べシーさんの後ろの副官さんが説明してくれた。
「あの重巡乗りは自分の元部下でして、自分も口添えしたのです。戦闘の参考になるから譲ってやってくれと」
「着いたらもう終わってたけどね〜」
「それはべシーさんを待っていて遅れたのでは…?」
サラキエルからカフディは割と遠い。それを待っていたせいでここへの到着が遅れたのではないかと思ったが…
ここで重巡乗りの人も通信に参加。ちなみにもう1艦隊の方は輸送艦と話しているよう。
「それが違うんだよ…自分は爆速で進みながらオレらをアトラクターで引きずってたんよ…」
「私はアトラクター使いだからね〜、巡洋艦2隻ぐらいなーんの問題もない!」
「自分にはむしろ、駆逐艦達の方が大変だったように思えますね」
少し想像してみる。軽巡が2本のアトラクターを放ち、巡洋艦2隻を牽引しつつ、駆逐艦と同等の速度でかっ飛ばす…なにそれこわい。
「見た目普通の海軍巡洋艦なのに、なんて性能してるんですか…」
「無理言って前の艦の装備積んでもらったからね〜」
「前のって…採掘艦の!?それのアトラクターって採掘艦のやつなの!?」
採掘用アトラクターは、削ったり発破した岩石を回収するため、またまれに小惑星を動かすために、頭のおかしい性能をしている。消費エネルギーもそれ相応だが。
そしてべシーさんの「前の艦」は、それを4機搭載した採掘艦だった。当然ジェネレーターの出力も桁違いだ。それをそっくり軽巡に積み込んだとすれば…まぁ納得の出力ではある。それはそれとして改造を任された人が可哀想すぎる。なんで機関部の載せ替えを、しかも大きさ全く違うやつでなんて…
「全力出せばフリゲートに迫る速度出るよ〜」
「巡洋艦にそんな速度いらんでしょうに…それに仲間を置いていくつもりですか?」
「出力をちょっとアトラクターに回して引っ張ってあげれば問題なーい」
「圧倒的パワープレイ…」
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2025/05/13 投稿




