1-8(8)サルベージ艦と「漁り屋」
この小説は練習みたいなものです。急にやめるかもしれないです。投稿不定期、投稿後に編集するかもしれません。その上で辻褄が合わなかったりすることもあるかもしれませんが、読んでアドバイスや感想いただけると幸いです。
囮の巡洋艦から転送されたデータを精査する。大きな輸送艦隊で、装甲輸送艦4隻・輸送艦16隻と護衛の巡洋艦・装甲巡洋艦からなっている。ワープ解除した時に接触でもすれば大惨事だ。そして囮艦が先行している以上、艦隊の一部も霧に巻き込まれるのは確定しているようなものだ。
「どれぐらいが巻き込まれそうか?」
【速度と規模から見て、俺らの艦隊はほぼ全て。なんなら近くの別艦隊すら巻き込むかもしれん】
なんか絶望的な返事が返ってきた。
今僕は、この勇敢な巡洋艦を小惑星の空白地帯へ引っ張っている。救難信号を飛ばすのでも艦船の点検整備をするにも、開けている場所のほうがいい。
「ここは地形的にも最悪だ。アンタみたいな巡洋艦でもスピンしたら死にかねんのに、よりにもよって装甲輸送艦とは」
【俺からすれば、金の匂いを嗅ぎつけて出待ちしてる漁り屋に、ばったり会ったのは幸か不幸か…ま、パッとログ見た感じ、根こそぎ奪われるって感じでもなし。いま生きてるだけでも幸運だと思っとくよ。宙賊だとマジで死んでただろうし】
位置の調整と残骸近接防御用のターレットを配置しながら、巡洋艦の艦長と話をする。救難信号を発信したから、程なくどっかの艦が寄ってくるだろう。それが警備隊の艦ならいいが、野良の宙賊だったら敵わない。あいつらは群れるし。しかし恩人にむかって「漁り屋」呼びとは…
「漁り屋呼びはしてほしくないな。なるべくこれからの艦も助けるつもりだし」
【そりゃ悪かった。サルベージされた奴の噂じゃ、艦体をほぼ盗られた上に救難費を請求された、とか聞くからな】
「そういった輩がいるのは事実だが、そうでないのもいるって教えてやんよ。っと、霧に追いつかれたらしいな」
目ではわからない、でもその変化をセンサーはしっかりと捉えていた。立体宙図上に「警告」を表す赤い点が現れ、直後に空間が、目視でもはっきりとわかるほど歪む。ワープ解除をこの至近距離で見ることは滅多にない。危なすぎるからだが、今回は離れていたら一瞬で手遅れになりかねない。危険を承知で近くに停泊していた。
【どっちのでもいいから、重輸から復帰させてやってくれ】
「そのつもりだ。旗艦が死んだら収拾できなくなる」
宙図でも肉眼でも、1番大きな歪みへ近づく。大型艦ほど足が遅いから、囮艦を別にすれば装甲輸送艦が最初に出てくる。そいつを復帰させれば、その後の小型艦の誘導とかがだいぶ楽になる。逆に爆発四散でもすれば、破片の被害もあってカオスになるだろう。
程なくして、装甲輸送艦が通常空間へ出てきた。
前話とともに、無線を【】にしました!
読んでいただきありがとうございます!
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投稿 2023/11/14