5-7(74) 電波妨害
「さて簡易チェックは終わりました。普通の戦闘機動を行う分には問題ないです」
一応は救援指示を受けているので、あまりモタモタはしていられない。さっさと体勢整えて助けに行かなくては。
「私なら大丈夫です!2回目ですし〜」
なんでベーグルさんちょっと楽しそうなの?まぁ問題ないならそれに越したことはないし、駄々こねられても困るんだが…
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もう一度エーテル海の機雷を引くと、今度こそジェネレーターが壊れるだろうから、雪風は通常宇宙を進んでいる。到着は遅れるが、自分たちまで遭難するわけにもいかない。
「ずいぶんと見晴らしが悪い。電波妨害でもかかっているようです」
遭難信号位置に近づくにつれ、レーダーが思ったように機能しなくなっている。いつもの6、7割の探知距離にまで狭まっているようだ。
「不穏ですね」
「不気味です。C8の通報チャンネルまで黙っています」
普通は信号発信源に近づけば近づくほどうるさくなる、緊急・非常無線の周波数帯が全く何も受信しない。
「中継ブイが遠いからか、なんとか時報がギリギリ受信できていますが…これは妨害出てるな…」
長距離高速通信も、エーテル海を介して行われている。その中継ブイを通常宇宙にリンクさせることで、密度が低く雑音が多いながらも、通常宇宙での通信が可能となっている。
なおそれらのブイ、特に通常宇宙にあるものは、そんなにしっかり守られていないので、意外にあっさりハックされる。偽情報は送れないよう、そこのセーフティはしっかりしているが、壊したり妨害するのは簡単だ。
「レーダーも無線も邪魔されたら、遭難艦を見つけられなくないですか?」
「ダメ元で初期通報位置に行ってみますか」
普通、遭難や救難要請などでは自艦の位置も知らせる。例外があるとすれば、助けより先に宙賊が来るのが確定しているような場所だが、それでも自力でどうにか出来ない時は、やはり位置を通報する。もっとも戦闘や、制動ができない状態など、初期通報位置から動くことは良くある事で、つまりそこに遭難艦が居るという保証は何も無いわけだが。
「ひょっとして色々怪しいから中断とか、期待してました?」
「まさか。みくびらないで下さいよ。艦長さんが姉さんを助けてくれた話、聞いてますよ?姉さんの採掘艦を庇いながら、ほぼ無傷で相手を倒したそうじゃないですか!そんな人が扱う艦が、電波妨害ぐらいで早々沈むなんて思いませんね!」
あー、あー…目が輝いている。そして評価が無駄に高い。べシーさん一体何を吹き込んだ?
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2025/04/17 投稿




