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サルベージ艦は今日もゆく〈宇宙文明は事故ばかり〉  作者: 売店部のしまなみ
5-死んだトラップ、生きたトラップ
73/104

5-6(73) 重武装高速サルベージ艦

 雪風は、正直言って普通の艦ではない。

 外観もそうだが、この船体に127mmレールガン6門と、さらには発射管8門を持っている。これはこの時代でも、十二分に重武装の部類に入る。海軍の駆逐艦でも、このサイズにこの武装は載せない。またサルベージ艦であるため、アトラクターを使うための高出力ジェネレーター、そしてそれをぶち込んでも動く高性能エンジンを持っている。

 つまり速くて重武装なサルベージ艦なのである。


「それはこういった遭難救助に駆り出されやすいということでもあります」

「牽引と速力は分かりますが、武装もですか?」


 エーテル海に入ってしまえば、あとは指定位置で出るだけである。航路も何も無い場所を高速で突っ切ることができるのは、水上艦型の船体の特権だ。


「遭難は2通り。事故か、襲撃か」

「撃ち合うんですか!?」

「その通り。普通なら最後の手段ですが、宙賊に襲われている艦を庇いながら離脱なんてできませんし、遭難信号を受け取ったということはすでに戦闘は始まっているでしょうから、襲撃の救難では大体使うことになります。今回もきっとそうでしょう」


 海図と、その位置にリンクしている宙図を眺めながら答える。ワープから出るのが離れすぎても近すぎても、後が面倒だ。


「ただの事故という可能性も…」

「無いですね。海軍からも命令が飛んでいる。海軍が体裁をかなぐり捨てるほど厄介な相手なんでしょう」


 カフディ宙域がいくら中立区とはいえ、そこから自国側(帝国側)へ、具体的にはベイスヘ周辺なんかに宙賊が侵入するならば、それは本気で潰しにやってくる。ただ中立区での戦力密度など、たかが知れているのも事実。エーテル海の監視とかは動かせないだろうし。

 であるから艦籍だけでもレクサック帝国で持っている艦に命令し、宙賊に対して即応させるのは、一応理に適っている。雪風が軍艦でも傭兵でもないことを除けばだが。


「でも重武装なんでしょう?」

「艦の大きさに対しては、です。正面から海軍の大型駆逐艦と戦えば、数分で鉄屑にされますよっと!?」


 往路のように、雪風の周りで水柱が立つ。しかも今回は前回よりも水柱の数が多い。


「ざけんな慎重すぎだろ!舌噛まないでね!」


 雪風はシールドを張りながら、水柱に突っ込んでいった。


ーーーーーーーーーー


「生きてますか?」

「生きてますよ…」


 シールドを張ったまま通常宇宙へ飛び出した雪風は、待ち構えていたミサイルを十数発被弾した。幸いにもシールド貫徹力の無いミサイルであったため、衝撃で内部が揺れた以上の被害はない。

 問題はジェネレーターの方で、エーテル空間で強引に、しかも全力でシールドを張ったため、なるべく早く整備しなければならない。簡易整備じゃなくてしっかりした奴。

久々に出てきました。カフディ域に隣接するレクサック帝国!影うっす!(面倒なの書きたくない)


読んでいただきありがとうございます。

誤字報告も感謝です。


2025/04/15 投稿

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