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サルベージ艦は今日もゆく〈宇宙文明は事故ばかり〉  作者: 売店部のしまなみ
5-死んだトラップ、生きたトラップ
72/104

5-5(72) 遭難信号

「振り込まれましたね」


 鉱石塊の移送作業を終え、フヨクルフの運営から入金されたことを確認する。ベーグルさんのアドバイスのおかげで、思ったより早く終わらせることができた。


「というわけで、少しそちらに入れておきますね」

「えぇっ!いいんですか?」

「もちろん。あのナビは結構役に立ちましたから」


 天性の空間把握能力とでもいうのか、雪風と牽引している鉱石塊、そして進路上の隙間と先導の小型艇まで、どう動くべきか、どの選択肢が安全かを考え抜かれた進路のアドバイスは、とても役に立った。最初はオズオズと進言していたベーグルさんも、僕らが全面的に頼り始めてからは楽しそうだったしな。

 にしても見返してもほぼ最適解のようなルートを指示してくれている。アラを探すならば、小型艇の制動性能はもうちょっと悪いことか?でも安全マージンを充分にとってあるから、接触事故も起きていない。

 僕はエンジン出力の相手にかかりきりになれるし、ナビ役居るといいな。AI管制を積むメリットを垣間見た気がする。つかコパイ(副操縦士)の発展が航法AIだから、当たり前か。


ーーーーーーーーーー


 その連絡は、ベーグルさんと今後の予定を話していた時に、何の前触れもなくやってきた。


「で、カフディを経由してから基地に帰り…」

「どうかしましたか?」


 ため息をついた僕を見て、ベーグルさんが聞いてくる。


「いえ、今相談した予定が全部パーになっただけです」


 そう言いながら、無線機の点滅しているボタンを押す。ガーと吐き出された紙を見て、もう一度ため息。


「何ですか?怖いんですけど…」

「申し訳ないが緊急出港です。準備を…まぁ上陸してないし問題ないですかね?」

「それは平気です。でもなんで…?」

「これ見てくださいな」


 その電文には、遭難信号の発信艦とその位置、そしてカフディからの救援指示が添付されていた。


「遭難…」

「えぇ。面倒なことにこの近くでです」


 機関始動、緊急出港通達。フヨクルフに直接停泊しているわけではないから、簡単に外宇宙に出ることができる。


「艦長さん、また光ってますよ?」

「同じように点滅しているボタンを押してください。読み上げてくれると助かります」


 加速させながら簡易チェック。 フヨクルフの入港管制から受信、グッドラック?


「だいたい同じ内容です。遭難艦を救助せよ。差出人は海軍です」


 ベーグルさんが伝えてくれた。

 …海軍かぁ。

読んでいただきありがとうございます。

誤字報告も感謝です。


2025/04/14 投稿

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