4-7(63) 学びが偏っている…
エッジさんやサナさんにお礼を言い、コロニー管理区域の廊下を歩く。数分時間を潰してから端末を確認したら、住民登録がされていた。問題なし。
「さて、やらないといけない用事は済みました。やっておきたいことはありますか?」
「ん〜特にはないですね」
「そですか。であればドックに直行します」
工業コロニーに娯楽を求めても良いものはないし、消耗品なら自分の基地にもある。さっさと雪風に戻ろう。
雪風のドックに戻った。ベーグルさんには艦内に入っていいと言ったが、やはり横で僕の作業を見学している。
「で、ここからコンテナが出てきます」
「おぉ〜」
いま実演しているのは、コロニー高速輸送システムの呼び出しだ。他のコロニーからの荷物は輸送艦に乗ってコロニーに着き、物資集積区画に集められる。その後呼び出しに応じて出てくるわけだ。
空港のようなベルトコンベアから、ダンボールサイズの箱が出てきた。今回は小さい箱だ。
「何が入っているんですか?」
「農作物。原産はもっと遠いんだけど、遺伝子情報を買ってね。カフディ近辺の食糧工場で作ってもらっているんです」
細かく言うとコーヒー豆。かなり離れた星で見つけたから、品種とかはわからない。遺伝子情報を買って、カフディ近くの食糧工場で製造してもらい、定期運送に相乗りさせてもらっている。継続発注とはいえ特注みたいなもんだし、それなりにお高くなっている。
「農作物…食べるんですか?」
「基地着いたら加工した奴をあげますよ」
「わぁ!ありがとうございます!」
めずらしくベーグルさんがはしゃいでいる。美味しいものは人を幸せにするもんな。コーヒーは好みが分かれそうだが…家の方に何かあったっけ?
「積み込みよし、カフディ側の倉庫も容量よし、雪風のハッチ閉じた…」
指差し確認で出港準備を進める。指差しが日常になると、確認不足や異常が違和感となって現れるから、事故防止にちょうどいい。
「ふむふむ…」
確認作業を見ているベーグルさんが、何事かメモをとってます。しかし操艦もそうだが、全てを真似する必要は無いわけで…
「あの…ベーグルさん?」
「なんでしょうか?」
「僕の作業はあくまで一例ですから、自分に合った形でやってくださいね?」
「わかりました。後で考えておきます」
そう言いながらもメモをとっている。このままだと、だいぶ僕の影響を受けた乗組員になりそうで、ちょっと心配なのです。
1っか月ほどぶりです。頑張ります。
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2024/12/18 投稿




