1-6(6)航路
この小説は練習みたいなものです。急にやめるかもしれないです。投稿不定期、投稿後に編集するかもしれません。その上で辻褄が合わなかったりすることもあるかもしれませんが、読んでアドバイスや感想いただけると幸いです。
自動点検が終わり、「雪風」は万全の状態だ。もちろん僕も睡眠や食事を取っている。結局指名依頼はなく、しばらくは航路の見回りへ行くことにした。
またこっそりと小惑星帯から出て、進路を予定地へ向ける。そしてワープの準備を始める。
「ダークエネルギーって言う名前もかっこいいと思うんだけどなぁ…」
宇宙空間に存在している気化エーテルをかき集めながら呟く。
ワープの入り口を開くために十分なエネルギーをため、気化エーテルを昇華させ固体化エーテルを作り出す。宇宙に浮かべたそれに、艦をそっと当てた。
重力管制下では存在しないはずの衝撃。見渡す限りの青い液体に白い空。ワープ内部の空間、エーテルの海。気化エーテルの空気と液化エーテルの水、どこまでも広がる海。
何がどうなればワープ内部が惑星の海みたいになるのか、なぜ気化して安定するはずの、存在しないはずの液化エーテルがあるのか、どうしてここで二次元的に移動すると、宇宙を三次元的に超光速航行できるのか。いまだに僕にはわからない。まぁ、僕にとって重要なのは仕組みではない。
「損傷なし、レーダー感なし、天候問題なし」
ここでは、潜水も飛行もできない。液化エーテルから離れられない。もし離れれば、戻って来られなくなる。ここで三次元的に動くと、何が起こるかわからない。
スクリュープロペラがゆっくりと回り出し、雪風は進み出した。次元も物質も違えどここは海。みかけ第二次大戦時代の駆逐艦は、ここではそこらの宇宙艦よりずっと速度を出せる。
やがて多くの艦が通る海流に出た。km級の貨物艦や駆逐艦、軍の輸送艦も行き交うこの海流は、そこそこ大きな航路だ。エーテルの海にもどう言うわけか海流が流れ、当然それに乗った方が速度は上がるし燃費もいい。主要な惑星付近やコロニー付近には艦隊ごと跳ばせるようなワープ開放機が建設され、それ同士を繋ぐ海流は国が守る航路となる。大きな航路には装甲巡洋艦を含む警備艦隊が駐留しているし、小さな航路でも駆逐艦による哨戒が定期的に行われる。
「この辺かな」
海図と宙図を眺め、霧が出そうな場所、そして事故が起こりそうな場所をみつける。航路からほんの少しだけ外れ、迷惑にならないところでワープ解除する。
なんの変哲もない中型航路、しかしその外の通常宇宙は小惑星帯だった。次元が違うワープ空間では、地図を見ずにワープ解除したら危険地帯、なんてのはよくあることだ。海流は通常宇宙とは関係なく流れる。高速道路の真下が渓谷であっても、落ちなければ関係ない。だがいきなり落ちればー
視界の端で何かが光った。
読んでいただきありがとうございます!
評価や感想・誤字ってたらその報告だけでもしていただけたら幸いです。これの投稿前に章を作ってみました。この小説に必要かわかりませんが…
投稿 2023/08/30




