3-11(52) 動き出す
乗せると決めたのなら話は早い。ここはベイスヘ総合コロニー群。多少高いが、必要なものはほとんど手に入る。携帯端末を使い、椅子やベッドのような家具や、食料品などを買い込む。少し経てばドックに輸送されてくるだろう。
その間に、雪風の設定も少しいじっておく。酸素消費、保安装置などの設定を2人用に変更。そしてベーグルさんを登録するのだが。
「え、写真ですか?」
「そう、防犯用の顔認証だね。防犯カメラのAIが、乗員とそれ以外を区別するから、密航を防ぐことができる」
逆にいえば、ここで乗員として登録しなければ、AIに密航者だと思われるわけで。
「じゃ、アクセスキー教えておくから、撮ったらアップロードしておいてね。僕は見ないから。あ、これ雪風の艦内図ね」
「わかったよ〜」
「わ、わかりました」
べシーさんに撮影をお願いし、ベーグルさんには雪風の艦内図を送っておく。これがあれば迷いづらいだろう。
「さて…連絡入れるか」
連絡した相手は、カフディの港湾管制官だ。
「すぐ出たな。暇人か?」
『あぁ暇だよ。なんせ全部、AIがやっちまう。お前みたいなのがいなきゃこのポジションも必要ないだろうよ』
航法AIの不調やサイバー攻撃対策のため、人間の管制官がいなくなることはないだろう。が、それは今はいい。
「ちと頼みたいことがあるんだが、いいか?」
『頼みぃ?お前が?珍しい、明日は恒星パルスでも降るんじゃねーの?』
「やめろ、縁起でもない」
『で、頼みってなんだ?』
「悪いな。カフディの住民局長に会いたい」
『あぁエッジさんか。オーケー、確認しておく』
「すまんな。そっちには数日中に着くと思う」
『ん。で、どうしたんだ?住民局ってことは乗員でも増えたか、根城に誰か住まわすのか…ってかお前の根城何処だよ。カフディのどっかって情報しかねーんだが』
こいつ人の住所検索しようとしたんだな。それは決して1管制官がアクセスしていい情報じゃないんだが…
「まぁどっちもってところだ」
『まじかよ。嫁さんでも見つけたか?ヒューヒュー!!』
ノリが学生男子のそれである。
「ちげーよ。とにかく頼んだ」
『おう、嫁さんによろしく言っといてくれ』
「だからーー」
…あいつ通信切りやがった。人の基地を根城とか呼びやがって、僕は宙賊か何かか?
とにかく、乗員が増えるのだから、そういった行政系の情報も更新しなければならない。これが面倒なんだよなぁ。
電車に乗らなくなると、投稿頻度が落ちる…
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2024/07/25 投稿




