2-14(31) 噂をすれば影が立つ
「それでそれで?そのままドックに引っ張ってって終わりっすか?」
「その日はそれだけだったな。また会って、その時に違法コロニーを潰すんだが…」
疲れた。休ませてほしいけど、クローバーがそれを許さない。誰か助けて…あっ
「盛り上がってるねぇ〜。なーに話してるの?」
「あーあ、司令戻ってきちゃった。もっと聞きたかったのになー」
「べシーちゃんもーっちょっと離れててもいいっすよ?」
「隊員のわたしの扱いが酷い…」
まぁまぁ、と宥める。これで離れられたらたまらない。
「変に気を遣われるよりも、フレンドリーな方が貴女もやりやすいでしょう?」
「それはそうだけど〜。う〜ん、納得いかなーい!」
駄々っ子かな?これでもこの人優秀なんだよなぁ。ほんと人は見かけによらない。
「ほらみんなで食べましょうよ。べシーさんも席ついて」
「ん〜。話してくれないつもりっすか?」
「なんの話〜?」
「そんな大した話じゃないですよ。話はまた機会があれば…」
〈十数分後〉
「司令、そろそろ行かなくては」
副官さんが声をかける。世間話とか雪風の話(手動航行だと話したらべシーさん以外のみんなが驚いていた。特にクローバー)をしていたら、かなりの時間が経っていた。
「じゃ、僕も戦闘前の準備とかあるんでこの辺で」
「ほーい、また後でね〜」
「仮想とはいえ、戦えるのを楽しみにしています」
「あっさり落ちないでくださいね〜」
「(話の続き絶対に教えてくださいね!)」
「手加減は無しっす!!」
クローバーともう1人の駆逐艦乗り、輸送艦の艦長さんと副官さん、そしてべシーさんと別れる。なんだろう、あの輸送艦の人は恋バナが好きなのかな?まぁ軍の中じゃ出会いも少ないしな…
それはそれとして、雪風の調整をしなくては。ドックへ行かないと…あれ、ドックどこだっけ…
「お、に、ぃ、さ、ん?」
「うをぉう!?」
「くっくっく、いい反応するっすねぇ〜」
真後ろからのクローバーは劇薬です。心臓の悪い人に与えないでください。っつーか本気で心臓止まりかけるから勘弁してくれ。軍施設だしその辺にAEDとかあるんだろうけど。
「驚いた…なんか用か?」
「えー冷たいっすね〜。もっとこう[ちょうどいいところに!]とか[気の利く人だな]とかそーゆーのは無いんっすか?どうせドックがわからなくなってるんすよね?」
勘が鋭いというか観察眼がすごいというか…軽い感じで言い当てられるのが若干怖い。ひょっとして、軽く見せてるだけで本当はすごく深いところまで考えていて、今の恐怖すらクローバーの掌の上だったりして…
「どうしても教えてほしい、っていうなら[お願いしますクローバー様]って言ってくださいっすね?」
…さっきのは考えすぎな気がしてきた。ともかく困っているには事実だし、クローバーに道を聞くか。
間隔が!長い!
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2024/04/04 投稿




