2-13(30) であい 後始末
舞台は採掘地域。システムチェックを走らせている採掘艦の護衛をしている。とはいえ雪風のセンサー類はそこそこ高性能だから、僕は採掘艦から離れて宙賊艦のサルベージをしていた。その間も無線をつなげている。
ちなみに傭兵艦のほうのサルベージは真っ先にやった。ただ全部脱出ポッドが無かったから、無事に逃げ出せたっぽいんだよな。
「助かりましたよ。あのアトラクターの支援がなければ、割とやばかったです」
【いやぁ〜それを言ったら今話せているのは君が来てくれたおかげだし?感謝するのはこっちの方だよ〜】
パニックとかになっていないのはいいことなんだけれど、いつもと違うと調子が狂うな。
「システムチェックはどうですか?」
【今んとこ大きい損害はないねー。爆散してないってことは逆説的に致命傷も無いってことだし。いやはや本当に素早い救難のおかげだよー】
それはおかしい。確かになるべく急いだけれど、単艦だけで残っているのはやっぱりおかしい。
「なるべく急いだとはいえ、逆算すると全滅していてもおかしく無かったですよ?いったい何があったんです?」
【うぅーん…まぁかくかくしかじか…】
まとめると、もともと大きめの団体で来ていたけれど宙賊達の襲撃にあい、事前の取り決め通り囮(と言うか生贄)として他の仲間を逃していたらしい。
【傭兵たちも大破するまでよくやってくれたよ。戦わずに逃げる奴はいなかっし、相手を挑発して私が逃げやすいようにもしてくれた】
先程までののんびりとした口調が消え、しっかりとしたものに変わっている。一種の敬意と言ったところか。
「傭兵達だって、自分の役目をを放り投げて逃げ出すのは信用に関わりますし、何より武装のない採掘艦ですら責務を果たそうとしているのに逃げ出せるわけがないでしょう?」
【そういうものかね〜?】
「そういうものですよ」
傭兵は、自分より弱い者が戦っているのに、約束を破って逃げ出したりしない。傭兵たちはプライドが高いし、プライドのない傭兵は傭兵としてやっていけない。宙賊と傭兵の大きな差だな。
【ところで〜、本当に弾代とか払わなくていいのかい?君が損してるだけな気がするんだけど?】
「いいんですよ。いくら分か、僕も把握してないですし、それに請求したらただの押し売りじゃないですか」
あと宙賊の賞金や引っこ抜いたデータなんかを売れば、そこそこの額にはなる。
【私が君に依頼をするとなったら、君はどれぐらい要求する〜?】
「内容次第です。貴女の艦をドックまでエスコート、とかだったら今ならタダですが」
【あっは!それいいね〜。うん、ドックまでお願い!】
回想が長い…
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2024/03/25 投稿




