2-11(28) であい べシーさん
逃げ足の速い高速艦を後ろの主砲で狙いながら、25mmレーザーでミサイルを落とす。もちろん採掘艦を狙ったミサイルもだ。傭兵艦のやられ方とかの貴重な情報源を、みすみす失うわけにはいかない。というか助けに来ておいて無視はしない。
2番砲塔をアトラクターモードで起動し、最大出力で高速艦を照らす。思いっきり引っ張られて速度が落ちた敵艦を、3番砲塔の物理弾で無力化する。
前側の1番砲塔は、こちらを狙おうとしている中型艦への牽制に使う。物理弾を結構な頻度でぶっ放しているから、後の弾代が怖い。一応しっかり狙ってはいるよ?ただ距離が微妙で、結果として牽制にしかなっていないけど。でもコレも必要経費だと割り切る。まぐれあたりでもいいから、1隻でも沈んでくれれば楽なんだが。
回避行動と牽制を続けながら、採掘艦の様子を伺う。一般的な採掘艦で、ぱっと見致命的な外傷はない。レーザーかビームでもくらったのか、船体に焦げ付いた貫通痕が見えるが、ナノマシンの応急修理も働いているようで、戦闘を中断してまで修理支援をする必要はなさそうだ。
1隻が反転しようとしたから、その分かりやすい軌道を予測して物理弾を放つ。残りの2隻もこのままなら追いつけるし、反転でもしようものならさっきみたいに回頭途中で致命傷を負わせる自信がある。相手はこちら、というか雪風を戦闘不能にしないと逃げられないだろう。
向こうもそれはわかっているのか、激しくビームを撃ってくる。物理弾より弾速が速く、しっかり回避行動をとらないと被弾しそうだ。行けると思ったのか、じわじわと距離を詰めてくる。どっちが先に被弾するかは運次第だが、連装砲塔2門しか向けていない雪風では、正直2隻の相手はきつい。逃げれなくはないが…
後ろから青いレーザーが4本伸びた。光の速さで進むレーザーは、全く外れず敵艦に当たる。青いレーザーは採掘用アトラクターの照準だ。敵艦の速力がグッと落ち、回避行動が甘くなる。すかさず物理弾を撃って無力化する。最後の1隻も同じように。
アトラクターを放ったのは、僕が無意識に戦力外だと認識していた、救難対象の採掘艦だった。雪風が高速艦に当てた2機より、よりハイパワーな採掘用アトラクターを4機も同時運用するのはさすが採掘艦といったところか。通信妨害も弱くなってきたところだし、採掘艦を無線で呼び出す。
「もしもし?生きてますか?」
【生きてるよ〜おかげさまでね〜】
のんびりとした女性の声が返ってきて、驚いたのを覚えている。ついさっきまで死ぬかどうか、といった感じの戦闘を見て、しかもその矛先が自分に向いていたら、大体の人はパニックになったり、もっと早くこいと言ったり、ずっと感謝の言葉を言い続けたり、という感じなのに、無線の声は平常心を保っているようだった。
これが、僕とべシーさんの出会いであった。
前話投稿までだいぶ間が空いてしまい、申し訳ない。また少し頑張る(つもり)ではあります。
読んでいただきありがとうございます!
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2024/03/22 投稿




