7-6(104) 巡洋艦
「これが貨物艦系統、あれが軍艦系統、んでそっちが旅客艦です」
「なるほど…これはなんですか?」
翌日、僕らはまたシミュレータを使いに来た。今日はちゃんと予約してるので、サナさんにいきなり仕事を吹っ掛けたりはしていない。
そして今日やる事だが、昨日は初めてのシミュレータだったので、とりあえず練習駆逐艦を使わせた。でも僕は学校の先生ではない。なんかそういう役割を期待されているようだけれども、少なくともそういった免許の類は持っていない。だから何も考えず、ベーグルさんの好きなように艦を組み立ててもらおうと思ったわけだ。
「それは貨客艦ですね。その奥が武装貨物艦。この辺のは、軍、モノ、ヒトの複数の性質を持ってる艦級です」
そのためにはまずどんな艦種があるのか、どんな性質を重視すべきか、という事を知らなければならない。だからそれをレクチャーしているところだ。
「よく言えば汎用性が高く、悪く言えば結局なんなのかハッキリしない艦級ですね」
このような大まかな特徴は、重要区画容積や骨格強度に依存する。その強化・換装は、基本めっちゃ金がかかる。その後に選ぶジェネレーターの対応非対応や、ひいてはコンテナ容量などにも関わるので、艦の素体選びはとても重要だ。
「ん〜なんかよく分かんないですね」
「何をしたいか、を考えるといいですよ。採掘か、運送か、護衛戦闘か。などなど…」
本当は、危険度やその時々の需要供給バランス、技術の発展や所持資金などにも左右されるけれど、シミュレーション空間にまでそんな面倒な考えを持ち込む必要はない。実際に動かしてみて分かる向き不向きもあるだろうしね。
「オススメは巡洋艦クラスですかね。拡張性を考えると、艦は大きい方が良いですから」
1人で制御する前提の中で、最大サイズの艦級が、巡洋艦クラスである。これより大きい装甲巡洋艦・重巡クラスは、1人で動かすには大きすぎる。
「姉さんと同じやつですか?」
「べシーさんも確かに乗ってますね。あの人の場合は一応は艦隊司令ですし、周りを見るのに集中するために副官さんも乗っていますが」
本来であれば、軽巡こと巡洋艦の運用は1人で可能だ。ただ立場上、役割分担のために副官さんを乗せているのだろう。仕事も半分で済むし。
これが駆逐艦だったりすると、艦橋に2人も乗ると狭いから難しい。重巡こと装甲巡洋艦では、1人での運用はちょいと厳しい。
ストックが尽きました。物語の大まかな流れも考えたいので、最悪更新止まります。
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2025/08/21 投稿




