第6話 8月の課題①(図あり)
(袋を作ろう! 1/5)
・「盆地の人工林」の植林予定地にまいたすべての「根粒豆豆」がその役目を終えるのが8月末である。
そこで「盆地の人工林」に本格的に入植するのは9月1日と決まった。
(現在は森男達が常駐して 根粒豆豆の世話にあたっている)
もちろんそれまでに 上下水道の配管やら 「根粒豆豆」の種まきの早かった土地への植林やらでリンは現地に赴くし、とにかく鞣し工房の様子が気になってならないドスコイは 1日も早く現地に行きたくてしょうがないのではあるが。
・一方実りの季節を前にした急務と言えば・・収穫物を収納するための袋づくりである。
これまで糸や布の原料として、栽培作物の麻と野良で採取する葛の繊維しか想定していなかったので 「袋づくりはぼちぼちと」焦っても仕方がないと思っていたが、ミンダナという豊富な繊維源の存在を知った以上、袋づくりを急ピッチで始めることにした。
なにしろ 農作業で必要なロープの原料として 今年植えた麻だけで賄えるかどうかもわからなかった状況から、ようやく作業用の縄やシートの原料=ミンダナ繊維までは確保の見通しができたのであるから。
いつまでも収穫物を収納する袋の代わりに ドワーフの酒樽とリンの空間収納に依存しているわけにはいかないのだ。
「リン殿に万一のことがあれば 空間収納に保管されている食料が取り出せず 我々はリン殿に精の付くものを食べさせるて回復を助けることもできないし、我々一同が飢餓に苦しむことにもなりかねん」バクー
「相変わらずバクーさんの言い方は容赦がないなぁ」アラン
「言葉を飾ったところで事実は変わらない」バクー
というわけで 住民がまだ 修道院近辺に集合している8月中に 繊維づくりや、機織り・袋づくりに集中することになった。
・さらにまた、「盆地の人工林」に設置した鞣し工房で 妖精ナーリン達の働きにより鞣しあがった革類を使って、全員分の冬用の靴の製作も開始された。
皮革職人のダレン(26才)の助手としてタッキー(15才)が専属としてつくことになった。
二人の相性がよく タッキーに適性があれば、彼が将来靴職人として自立できるようにダレンが仕込んでくれるそうだ。
「早々に 勤め先が決まっていいな」とうらやむアラン達
「まだ試用期間だ、来年のことを言うと鬼が笑うというからな」と慰めるドスコイ
実のところ力自慢のアラン(16才)とリック(16才)は、皮鞣し職人であるドスコイ(41才)や炭焼きのダンカン、木こりのトントン達の手伝いをしながら 自分の将来の仕事を決める予定なのである。
・靴つくりなど、革細工の工房として、ドワーフ達の南棟に東端にある部屋「東1室」を当てた。
ここにあった、地下への階段は完全に封鎖した。
室長は ダレン。
「こんな立派な仕事場ができてうれしいよ。」
・一方南棟の南北通路の両端には壁と扉をつけ、ティティ達子供作業班の集会室にした。
子供菜園のある南側からも、ドワーフの中庭のどちらにも通り抜けるできる部屋。
室長は ティティ
「部屋ができると ほうきと塵取りが欲しくなる」
「箒の材料が新たに入手できるまでは、わしの部屋で使っている箒を一緒に使おう」ドワーリン
「棕櫚・もしくは箒草(=とんぶり)の栽培。
あるいは小枝を束ねて箒にする」リンがつぶやいた。
「箒の材料になるとんぶり!僕知ってる。来年はあれを植えようよ。
種は食べられるし 種を取ったあとのじくが 箒になる♫」ロジャー
「とんぶりの種まきは春。覚えておいてね」リン
「自分達用の机といすがあるってうれしいな」ディー
「僕達専用のボードもできたので、修道院の中の空き地の菜園化計画もばっちりだ!」ロジャ。
※本日5月5日までは 連休なので朝8時と夜8時の2回投稿です
明日5月6日からの平日は 朝7時の1回投稿です
土日は 朝8時と夜8時の2回投稿します