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二年目のベルフラワー  作者: 木苺
第2章 9月: 新しい入植地:盆地と川辺
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第39話 川辺の入植地の整備 (図あり)

(9月12日 入植1日目)

・朝食後、ムギ・レモン・ライト・リンの4人は役牛と鶏と荷物を持って ドラに乗り込んだ。

リンの 特殊マジックバックさまさまである。


川辺につくとまず狼達に挨拶をした。

 狼達は ドラゴンが飛来する姿を見て 放牧地の真ん中にドラが着陸できるように 羊たちを誘導して空き地を用意してくれていた。


羊たちが寄り集まっていたので 早速リンは 種羊となる雄2頭にハーネスを付けた。


・柵の設置には3人必要だったので、ムギ・レモン・ライトの3人で早速とりかかった。


前回の訪問時に リンと一緒に地割をしていたので、すぐにくい打ちを始めることができた。


・リンは 農家や鶏小屋 役牛の為の牛小屋などを設置した。


挿絵(By みてみん)


農家の造りは 湯気の地に置いたものの進化バージョンだ。

 北側に 物置・食料庫・飼料置き場を作った。

 食料庫のみ 家の中から出入りできるようになっている。


 東側の板の間は 夏は板戸を取り払うと 両側に縁側と縁台のある吹き抜けの個室だ。

 一応男女共同宿舎なので 個室の境目の押し入れは一方が壁になっている。


西側が水回りだ。


 浴室&洗濯場は 外からも室内からも出入りできる。

 これは 天気や羊たちの状況を見ながら 洗濯物を 浴室内に干すことも

 外に干すこともできるようにである


 かまどは マリア推奨の煮炊き用・オープン・パン釜の3点セット


 竈の後方には耐火用レンガで囲んだ納戸を作った。

   壁&収納である。


トイレは 大小別浄化槽つきトイレ。

  浄化槽の中身は バイオ君達がある程度処理してくれるが

  時々 人間が 川向うのバイオマスまで運んでいく必要がある。


農家は羊の放牧地の真ん中にあるので、いずれ 農家の周りも柵で囲う必要はあるだろう。

 今はまだ 庭のスペースをどれくらいとるのか決まっていないので

 鶏エリアだけを柵で囲っている。

 鶏は 雌鶏を3羽連れてきた。


・羊の乳を使ったチーズを作るための小屋をいつ作るかという点に関して、ここに来る前にリンとムギは話し合っていた。


「4か月仔の断乳をした後、すぐに種付けに入るから、

 母体の健康を考えれば 今は羊の乳しぼりはやらないほうがいい。

 乳房炎を防ぐために絞った乳は 俺達で飲んでしまうか

 余れば本領へ送るってことでどうだ?」ムギ


「そうね だったらしばらくドラちゃんに 川辺で待機していてもらわなければいけないわね」リン


「なぜだ?」


「ここだけの話、ドラとフェンもマジックバックが使えるから。


 言い換えるなら 牛と鶏の避暑地のように 毎日物質移動ができる場所を

 常設するリスクは最小限にしたい。っていうか あそこが特別な場所なの。


 ムギは 毎日 空間輸送でモノをやりとりするあそこの生活に慣れすぎちゃって、モノの移動のことを安易に考えすぎているわ」リン


「たしかに」と言ってムギはばつの悪そうな顔をした。


「余った羊の乳はミル―に渡して 羊乳ヨーグルトの種にしてもらうわ」リン


「つまり ここには 毎日牛乳ヨーグルトの配給がないから

 将来的には ここで羊乳ヨーグルトを自家生産しろということか?」


「そういうことになるわね。

 人間二人に 乳牛1頭では 乳製品が多すぎる言ったのはあなたよ」


「たしかにそうなんだが・・

 6歳以上で乳の出の悪い雌羊がいたら 種付けせずに乳用に飼育しようかな」 


「その辺の差配も あなたの仕事ね」


・というわけで 乳利用の為の雌羊が決まってから、乳製品加工のためのクリーン施設を作ることになっている。


・役牛の為の牛小屋は、耕作予定地の川向うに作った。


・川向うの山際には、バイオマスも用意した。

  ここまでついてきてくれた妖精赤ちゃんたちが バイオ君に昇格するチャンスとばかりに張り切っている。


 妖精赤ちゃんたちの期待に応える為に、あたり一帯にちらばっていた羊の落とし物を全部集めて バイオマスに入れたリンは へとへとだ。


 この広い放牧地に広がった羊たちの落とし物を、今後ムギはどうするつもりなのか?


 ムギ曰く 

「柵の中にグループ分けした羊たちに、湯気の地でやったようにトイレの躾をやっていくよ。


 決まった場所で排泄すれば お互いに気持ちよく過ごせるってわかってくれるといいんだが」


「長く ここで暮らす雌羊たちはともかく、次々と食べられていく運命にある雄仔羊たちまで 躾られるのかな?」リン


「そこは 母羊しだいなんじゃないか?

 とにかく やってみないとわからない の世界だよ。」ムギ

(参考)


・離乳の時期について 

家畜改良センター十勝牧場 種畜第一課 めん羊係長 河野博英

http://jlta.lin.gr.jp/publish/sheep/kiji/39_01.html より


  1か月から離乳は可能

  一般に生後3~4カ月齢

  子羊が母乳(液状飼料)に頼ることなく,牧草や濃厚飼料(固形飼料)から必要な養分量を得られるようになれば,月齢に関わりなく離乳しても良い


授乳期間を長くすれば体重は増加する

母羊の総産乳量の約75%は分娩後2カ月間で生産される

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