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二年目のベルフラワー  作者: 木苺
第2章 9月: 新しい入植地:盆地と川辺
29/206

第29話 牛の数 

(盆地へ行こう3/6)

ベルフラワーにおいては 牛は重要な役割を果たしている。


・乳牛の出す乳は ベルフラワーの重要なたんぱく源である。

  そのほとんどはヨーグルトとして利用している。


  本領では 農作業以外にもあれやこれやと作らなくてはいけないモノが多いので

  バターづくりは、放牧地にいるムギ・サイラス・ミル―にゆだねられた。


  ゆりかご方式で作られたバターは、本領で消費する分づつヨーグルトと一緒に送られてきている。


・現在月光の地にいる 乳牛は30頭 子牛は29頭(うち雌は15頭)


 牝牛は生後12か月くらいから初交配を行い満年齢9才頃が最後の妊娠とする


 母牛が10才を過こえると乳の出が悪くなり、生まれた子の肉牛としての肥肉が良くないのだ。

 しかし 母牛が高齢化しても 生まれてきた子の能力には影響はない。

 ようは 乳の出が悪くなることが原因らしい。


乳牛が産出する乳量が最も多いのが5歳。

そして ベルフラワーにいる牛たちの年齢も5・6歳前後ではないかというのがムギの見立てである。


これらの牛は リンが、スレイン国に接する無所属地域で捕まえた牛たちである。

やせこけてはいたが、おそらく一番活力のある年ごろの牛たちが スレインの荒廃地から逃げてきていたのであろう。


そして 湯気の地に移動する前に森の中の空き地にリンが放牧していた間に出産した牛もいれば そこで妊娠して 月光の地に来てから出産した牛もいた。


というわけで、そろそろ成牛→1年仔の順に種付けをすることを考えねばならない。


・前回 ドラのために子牛を潰してレンネットの為の第4胃袋をとった。

 チーズ作りに必要なレンネットは生後60日までの子牛の胃袋からしかとれないので 念のためもう1頭、生後30日目の雄の子牛をリンの空間倉庫に保存することにした。


 いずれはレンネットの主成分キモシンにかわって、微生物から凝集酵素リゾムコールを大量生産する技術をベルフラワーにおいても確立したいものだ。

 

 この話をミル―にすると 目を輝かせた。

彼女は もともと乳製品の発酵研究家であったが、ムギといっしょに牛達の世話をするうちに すっかり愛着がわいて レンネット目当てに仔牛を殺すのが(つら)くなってしまい チーズを作りたくなくなっていたのだ。


 しかし 微生物による凝乳酵素を作れるならチーズを作りたい!と意欲をもやした。


 というわけで 設備が整い次第 最初は レンネットを使ったチーズ作りにとりくみ そこから微生物を呼び寄せることができるかどうか試してみたいというのだ。

 うーん 微生物って呼び寄せるものなのかな???

 

・一方雄の成牛は

  盆地の植林地に居た去勢された役牛9頭のうち7頭はエンバクの種まき準備のために最近本領につれてきた。


そのほかにもリンのマジッックバックから エンバクの種まきの為に出した20頭の雄牛がいた。

  ムギの見立てによると2歳~6歳まで その年齢はバラバラらしい

  種類は乳牛種らしいものが10頭 肉牛もしくは使役牛向きらしいものが10頭だそうだ。


 エンバクの種マキが終わったら、乳牛種は種付け用に送り出すことにしよう。


・黒牛(雄)コク くろ ブラック ダーク:本領の主戦力


 黒牛(雌)クッキー(コク) チョコ(くろ)

   来年2月ごろ出産予定


 まだら牛(乳牛) ホリー スター

(来春は ホルスとスタインに交代する予定)



(参考)

繁殖雌牛の月齢とそれらの後代産子の生産能力との関連性

https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/12726.pdf


乳牛における繁殖機能の発達と初産分娩月齢の早期化

http://www.naro.affrc.go.jp/org/harc/seika/h16/318.htm


繁殖和牛の飼育管理 中野 恭治

 http://jlia.lin.gr.jp/cali/manage/86/s-semina/86ss1.htm


牛の分娩

http://www.naro.affrc.go.jp/archive/nilgs/breeding/skill/025591.html


その他

http://zookan.lin.gr.jp/kototen/nikuusi/n421_3.htm


牛の胃袋の写真

https://butcher.jp/smp/freepage_detail.php?cid=0&fid=50

 肉屋さんのサイトです

 幼い頃 自宅でよく焼肉といっしょにホルモンを食べたのですが その頃の記憶と

 大人になってから自分で買った「せんまい」の味と臭いと色が違っていた理由が

 このサイトを読んではじめてわかりました。

 (今では 私はホルモンを一切食べません だってくさいんだもの

   それは 牛の飼料に原因があったということがよくわかりました)


 思えば 両親がホルモンを一切食べなくなった時期と 日本の牛の飼育方法が変わった時期が重なっているように思います。


レンネットの種類

https://www.j-milk.jp/findnew/chapter3/0305.html

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