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二年目のベルフラワー  作者: 木苺
第1章 8月:二つの商業林&植物繊維の利用
11/206

第11話 あ~~~!麻

(麻から繊維をとる1/4)

ミンダナの皮はぎが終わった日の夕食の席で、ディーとエレンがリンの顔を見るなり言った。


「麻が3種類ある!」


話をよくきくと、二人は2m以上にも伸びた麻の先端がどうなっているか見たくてライトに肩車をせがんだらしい。


そして 昨日 風呂上がりでのんびりしているライトとフォークに頼んで

肩の上に立たせてもらい、麻の上端をよく見たのだそうだ。


その結果、枝別れしている根本に

  ①丸い粒だけがくっついているもの

  ②細い細い葉とはちょっとちがうものがだけが出ているもの

  ③①と②がついているもの

の3種類あることに気が付いたそうだ。


このことについては ディーとエレンに促されてライトとフォークも確かめたそうだ。


リンはその話を聞いて 内心ひきつった。

  (はやく 麻をかりとらなければ!)


「たぶん 雄花と雌花のつぼみが付いたのだと思う

 もしかしたら 麻には 雄株と雌株と 雄花と雌花の両方が付く株があるのかな

 今夜 アカシックレコードを調べるから まっててね」 リン


「明日の朝までにはわかる?」エレン


「何とも言えないけど 明日の朝ごはんの時に わかったことを報告するね」リン


リンはライトとフォークに向かって言った

「お疲れのところを 子ども達の為に肩車してくれてありがとう」


「どういたしまして。おかげで 一人では気付かなかったことにきづけてよかった」フォーク


「種マキの時には雌雄の区別があるなんてきづかなかったから驚いた」ライト


「私も。イチョウの種の銀杏みたいに 種の時から雄雌の違いがあれば便利なのに」リン


「それでね 大変申し訳ないのだけど・・

 実は 麻って 花が咲く前にかりとらなければいけないらしいの」リン


「その話 種まきの時に聞いたのを覚えている」ライト


「ということは 明日から 麻の刈り取りか?」フォーク


「その可能性はあります。 

 今夜もう1回 アカシックレコードで確かめてみるね」リン


「覚悟はしてたから」ドワーリン・ドーリ・ライト・フォーク


口々言う彼らを見て 驚いたリン。

「そうなの?」


「だから 遠慮なく 明日は明日の仕事をわりふってくれ

 今日は 半日休みをもらったからな。

 明日も もりもり働ける」フォーク


「よかった ありがとう」


「ところで リン。君は自分の目で確かめなくていいのか?」ライト


「そうね あとで見にいくわ」


「なんなら 肩をかそうか?」ライト


「足台を使うからたぶんだいじょうぶよ。

 お声かけありがとう」


くすっと笑ったジョン

「なによ」リン


「リンがライトの肩の上に立ったら 屋根の上にでものぼれそうだと思って」ジョン


「攻城戦の侵入のような光景が思い浮かぶよ」フォーン


「おいおい おれは兵士じゃないぞ。

 その手の仕事だけは全く引き受けたことないから」憮然として答えるライト


「でも リンだったら そういういさましそうなこと好きそうなイメージだ」レオン


「好きに言ってて」リン


「ちなみに 私がどっかに侵入するときには 一人で侵入します。

 そういう怪盗スタイルが好みよ」リン


「あのな 戦いってのは勇ましいのではなくて殺し合いなんだ」

ライトがぶぜんとして言った。


「だから争いごとを避ける。それは私もライトと同意見よ。


 だけど騎士階級というのは、生産活動に従事するだけでなく、領地の経営と領地を守るために戦うことも徹底的に教育されて育つ人間集団だからね、当然私も人を殺すわざも身に着けているし、必要な時にはためらいません。

 だから 平和な時には 「勇ましい夢物語」で気持ちをなごませるのよ。

平時においてまで野蛮なことを考えていては頭がおかしくなるけど平和ボケしていてはいざという時に使い物にならないから」リン


「どうせ 俺は平民だよ」ライト


「やつあたりしないで。

 たんなる 役割分担なんだから。

 

もっとも殺ししかできない兵士や騎士崩れなど厄介の種でしかないので 排斥はいせきすることに私は賛成。


 ベルフラワーを守るための汚れ仕事は私が引き受けるから、そのことをからかいの種にしないで欲しいということだけ」リン


「ごめん」レオン


「いいよ さっきのからかいは もっと軽いものだったから 私も軽いノリで応じたわけだし、

 あなただから 私も からかいには冗談で応じたのよ。

 でも まじに受け止めれば こういう話にもなるからこれからは気をつけるわ。


 争いによる被害を受けた人間にとっては 冗談で済ませられる話ではないから。」


「ごめん」レオンは今度はライトに向かって頭を下げた。


「わかってくれたらそれでいい。

 雰囲気悪くして わるかったな」ライト


「すまんな 平和な集団に、つい兵隊ジョークをもちこんでしまった」フォーク


「ベルフラワーでの同業者は おそらく私とあなただけだろうし

 私たち二人では お互いジョークの気分も出てこないから。」

そう言ってリンはフォークと苦笑いをかわした。


 「あなたにも いろいろ気を使わせて、悪いと思ってる。」リンは軽く頭をさげた。


「それは 兵士をやめて普通の暮らしに入った誰もが経験することだ」フォークはそういって、 顔の横で軽く手を振った。


ばつの悪そうな顔をしているジョンにリンはほほえみかけた。

「あなたが 単純に ライトの肩に立ってる私の姿をイメージしただけだってのは わかってる。

 いい年した私が ライトの肩に立って小さい子のように騒いでいる光景を考えたら そりゃ笑えるよね。」


「予想外の展開だった」ジョンはつぶやいた。


「それじゃぁ 結局 リンを小さい子扱いしたおれの発言が悪かったってことになるじゃないかよ」ライト


「そりゃ当然だろ」男子一同


「うーん 俺には リンもディーも大して違いがないように思えるのだが」ライト


「それ 絶達にお前だけの感覚だから」レオン

  そうだそうだと 全員が同意した。

(参考)


麻の雌雄については PDFファイルなので

 「赤星栄志あかほしよちゆき農業経営者2013年4月号」で検索してください


(「麻 雌雄」のキーワード検索をすると かなりの確率で怪しげなサイトが検索上位に挙がってきたので 学術的に確かな 赤星さんの記事名で検索することをおすすめします

 どっちみち 怪しいサイトも この記事からの流用抜粋でしたから><)


麻の成長過程の写真(個人のブログ)

https://kakuyomu.jp/my/works/1177354055447262244/episodes/16816452219862754035  


野州麻の収穫を見学された方のブログ

https://tomihiro.co.jp/ginza/2015/08/24/%E9%87%8E%E5%B7%9E%E9%BA%BB%E3%80%80%E3%80%9C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%B8%80%E3%81%AE%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E9%BA%BB%E5%8F%8E%E7%A9%AB%E3%82%92%E8%A6%8B%E5%AD%A6%E3%80%9C/


NPO法人信州麻プロジェクト

  https://www.pref.nagano.lg.jp/nagachi/nagachi-somu/documents/npo-sinsyuasapuro.html


  ここでは 横長の釜を使って 灰汁入りの茹で柔らかくなるまで煮て、

  池の水にさらしたのち すぐに皮をはいでいます


  作業が終わると 朝にを終えた釜でゆでた薩摩芋と枝豆のおやつ


大麻博物館(個人の方サイト)

https://ja-jp.facebook.com/pg/taimamuseum/photos/?ref=page_internal


麻に関するよもやま話のサイト

 https://www.ooasa.jp/hemp_car/index.php?touhoku-asa


全日本弓道具協会

 麻弦の製作方法 https://kyudogu.jp/tsuru/3574.html

 麻弦の作り方  https://kyudogu.jp/tsuru/3583.html

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