第101話 療養生活
翌朝 目を覚ましたドラは 名残惜しそうにリンに頬ずりをしたあと、
清水の池のそばに行って 体をもとのサイズにもどし、大量の魔物肉を食べた。
そのあと小屋のそばの空き地にもどって眠りにつくまえに・・
ライトはあわてて 地面に防水シートの上に毛皮を敷いてそこで丸くなって寝る態勢に入ったドラの体の上にドラちゃんマントをかけた。
(シートと毛皮は リンがライトに持たせていたマジックバックの中から取り出した。リンが緊急用品はライトのマジックバック経由で取り出せるように以前仕込んでいたのだ)
ライトは 人間用にも毛皮を支給した。
フェンには 調味料の入っていない魔骨スープと魔物肉のすり身と イチジクの果肉だけを皮からこそげとって食べさせた。
フェンの開けた口にイチジクの果肉を落とし込みながらライトは尋ねた。
「おまえってば もしかして甘いものが好きなの?」
フェンはいらただし気な眼でライトを見上げた。
「すまん 俺の独り言だ。聞き流してくれ」そう言って ライトはせっせとフェンに食べさせた。
食事の終ったフェンを抱えて外に連れ出し、ライト作の即席おまるに座らせ、ライトは急いでその場を離れた。
台所で39度の湯を沸かし、用をすませたフェンのお尻を洗ってやった。
フェンはじっと目をつむって 何かに耐えているようであったが
素直にライトに抱かれてベットにもどり再び眠り込んだ。
外に出たら フェンのおまるの中身はからっぽになっていた。
フェンがなけなしの力を振り絞って自分で処理したのだ。彼のプライドを守るために。
リンは ヨーグルト・マグロフレークを添えた野菜がゆを食べ いやいや肝油を飲んで 口直しにスダチ蜂蜜を飲んでまた寝た。
昼食は
ドラ:魔骨スープ 魔物肉 魔骨スープで軟らかく煮た大根
フェン:魔物肉の挽肉(生) 魔物挽肉と大根葉の入った雑炊
リン:魔骨スープ豆腐入り フェンと同じ雑炊 ドラと同じ大根
夕食は
ドラ :魔骨スープ 魔物肉 牛乳のゼラチン固め
フェン:魔物肉の挽肉(生) まぐろ(生) 魔骨スープ 魔物の肝臓・蜂蜜
コカトリスの卵の白身をゆでたの 牛乳のゼラチン固め
リン :粥 魔骨スープで作った潰し煮豆・スープ煮ジャガイモをつぶしたもの・荷崩れした魔物肉、半熟コカトリスの卵の黄身 牛乳のゼラチン固め
(早い話が リンが黄身だけすくって食べて 残りをフェンが食べたのだ)
3日目からは ドラのそばでフェンは魔物の血をのみ 肝臓と蜂蜜と挽肉を大量に食べた。また ドラやリンとの共通メニューとして 牛乳のゼラチン固めやプリン(蜂蜜掛け)も食べた。
ライトは 食事のたびに フェンを抱えてドラのそばに運んで行き 食材を置いて
リンの基に戻って 彼女に食べさせ、そのあとフェンを迎えに行きetc
一方リンは マリアが作りおきしてくれていた魔物肉料理とサラダと果物、コラーゲンやレシチンたっぷりのデザートをせっせと食べた。
最初のうちは ライトが果汁を絞ったり 潰して牛乳と混ぜてジュースにした。
果物の中には 妖精達が海辺の別荘で作ったイチゴやバナナもあった。
妖精の作った果実はフェンも食べた。
4日目の朝食後 ドラは 暖かいところで寝てきますと言って湯気の地に飛んで行った。
フェンは 食事を一人で取るようになった。
5日目 ドラがリンとフェンを迎えに来た。
ライトはフェンとリン抱えてドラに乗って湯気の地に行き
そこにあった仮小屋の中に二人を寝かせた。
それから何日間かは 看病疲れのライトも含めて 4人は食っちゃ寝 食っちゃ寝の温泉療法を続けた。