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二年目のベルフラワー  作者: 木苺
プロローグ
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第1話 創立記念日と誕生日(表あり)

本作は、「ベルフラワー 最初の1年:尼僧院長の憂鬱」https://ncode.syosetu.com/n1210go/の続編です


プロローグは前作のラストと時期的にかぶっています。

「8月8日は何の日だ?」7月も終わろうとする頃にロジャがいたずらっぽくリンに尋ねた。


「8月7日は立秋 8月8日は ハハと笑って入植記念日?」


「あたり!ベルフラワーのお誕生日だよ お祝いしよう!」


「いいわね。でも お祝いの仕方がわからないから 企画はロジャ達に任せた」


「リンって誕生日祝いもやろうやろうと言ってこの1年全然やらなかったのは

 忘れてたんじゃなくてやり方がわからなくてばっくれてたのか?」

ライトが突っ込んだ。


「失礼な あれは本当に忘れてたの。

 だいたい私 つい最近まで 自分が14歳になっているのに気が付かなかったくらいなのに」


「それでは 忘れん坊さんがちゃんと思い出せるように、アドベントカレンダーを作りましょう」テレサ



「なあにそれ?」


「何日か前から順番に(しるし)をつけていくんだよ、特別なカレンダーに」ディーが教えてくれた。


「8月のカレンダーに、まず8日の日に花印をつけて、1日から7日までは 毎日飾りの印をつけていきましょう」テレサ


「せっかくイベント用のカレンダ―を作るのだから、みんなの誕生日にも印をつけましょうよ」メリー


「せっかくだからポロンやアシカたちの誕生日も聞いてこよう」ディー


「あいつら 自分の誕生日を知らないんじゃないかなぁ」レオン


「じゃあ 好きな日を誕生日に選んでもらう」ディー


「念のため 僕も一緒に行くよ」ジョン


「むしろ エレンとディーで聞きに行った方がいいんじゃないか?」ライト


「どうして」ジョン


「いくらあいつらでも自分より年下の子を殴ったりしないだろう」ライト


「どうして 誕生日を聞いたら殴られるの?」ディー


「殴られると決まったわけじゃないけど 人によったら誕生日を知らないのはは惨めなことだ思うやつもいるからな、そういうやつに誕生日を聞くと殴られることもある」


「アランやリックと違って アシカは人を殴ったりしないと思う」ディー


「そういう素直なお前達が聞きに行った方が 向こうも答えやすいと思うな」レオン


というわけで ディーとエレンが代表で共同宿舎に住む人達の誕生日を聞きにいった

付き添いはアトス。


その結果、共同宿舎に居た少年たちの誕生日は全員8月8日ということになった。


「創立記念日と誕生日が一緒だとかっこいいじゃん」アラン


「確実に誕生日を祝ってもらえる」リック


「パチパチ8月8日 日にちを覚えやすい」タッキー


「じつのところこのケンが生まれる前後はすごく大変だったので日付を気にしている余裕がなくて。だからこの子の誕生日も8月8日でお願いします」ローズ


「それならフローラの誕生日も8月8日にしよう。

 この子の誕生日を聞く前に母親がなくなってしまったからね」アレクシア


「アレクシアおばさんの誕生日は4月1日。ちゃんと覚えているわ」エレン


「ほかの人達は?」


「俺達も8月8日と言うことにしておいてくれ。」サローヤンが仲間を代表していった。


「それでは私達も8月8日でいいかしら?」ミルタンが研究者仲間の顔を見回していった。

「みんな同じにしたほうが いっしょに誕生日祝いで騒げるから都合がいいな」バクー


というわけで 共同宿舎の人間はアレクシア以外全員8月8日が誕生日になってしまった。


修道院に戻る途中エレンが「なんだか 変わった大人の人達だったね」と言った。

「うん。でも全員分を覚えるのも大変だから 助かった」とディー


「でも 大人の人達が全員年齢不詳って」エレン

「きっと 毎年誕生日祝いをしてもらわないと 自分の齢を忘れちゃうんだよ」ディー


「じゃあ ディーの誕生日は私が必ずお祝いしてあげるから 私の誕生日も祝ってね

 そうやって 二人が自分の誕生日と年齢を忘れないでいられますように!」

エレンと一緒にディーも祈りの言葉を口にした。


年齢不詳の大人と誕生日が創立記念日と同じ人が大人が大半を占めたので

アドベントカレンダーは次のような形になった。


挿絵(By みてみん)


(注)ベルフラワーやリンド・スレイン国は1か月が30日 1年は360日です

   曜日は特にありません


この図は下絵のようなもので 実際には 数字も文字も飾り文字で描かれ、刺繍する予定。


年齢は毎年誕生日が来るたびに新しい年齢を刺繍した布をスナップで付け替えていく。

現在カレンダーに書かれているのは7月末現在の年齢だ。


だから今年はメリーから新しい年齢をスナップ止めしていくことになる。

もっとも8月分だけは( )つきで今年の8月になる予定のことが書かれているが。


創立記念日は毎年「2年目」「3年目」・・と付け替えていく


メリーは昨年ベルフラワーに来た時は20才と言っていたが それはもうすぐ誕生日なので そして男達から()められないようにまだ19才だったが20才と言ったのだそうだ。


「だから 今年の8月15日で私は21才になるの!」メリーは宣言した。

「私だけ誕生日が 8月だからめだっちゃって恥ずかしいわ」


「今年のアドベントは 8月1日から順番に日付を刺繍していきましょうよ」ティティ


「そうね 8日の分はだれが刺繍する?」メリー


「メリーがいいわ」リン


「いえ やっぱり 領主のリンが刺繍した方がいいと思います」メリー

「賛成」一同



「なあ 俺達にも刺繍を教えてくれるのか?」タッキーが心配そうに聞いた。

  彼らもディーの後を追いかけてに (やかた)までアドベントカレンダーを見に来ていたのだ。


「もちろん。ちゃんとお行儀良くしていれば 教えるわよ」マリア


「自分の名前と年齢で 糸の色をかえてもいいか?」アラン


「もちろん」リンがこたえた。


「最初は年齢ワッペンを作って刺繍になれてから名前に取り組むといいと思うわ」メリー


というわけで、7日まで毎日(やかた)の手芸室に集まって、みんなで年齢ワッペンを作ったり アドベントカレンダーに刺繍することになった。


「創立記念日のお祝いが 刺繍の会ってなんだかベルフラワーらしいわね」メリーが楽しそうに言った。


「ドスコイとかも 引っ張ってこないといけないな」にやっとリックが言った。


「ローズもちゃんと誘ってね。

 フローラの分は アレクシアの目が悪いからだれかほかの人に刺繍してもらうけど

 もちろんアレクシアも一緒に来てくれてよいのよ」リン


「創立記念日までに ワッペンや8日までの日付を刺繍して

 メリーの誕生日までに15日までの日付の刺繍

 それとは別に めいめいの名前の刺繍ね

 お互いの親睦も深まりますように」マリア


最近は、真夏の太陽を避けて 農作業は朝夕の涼しいうちに済ませていた。

日中はお昼寝&フリータイムなので その時間をアドベントカレンダーづくりにあてることになった。


※5月5日までは 連休なので朝8時と夜8時の2回投稿です


 5月6日からの平日は 朝7時の1回投稿です


 土日は 朝8時と夜8時の2回投稿します

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