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6 パーティー専用依頼(1)

不定期更新です。


「おーい、紗夜いるか〜」


 底知れない不安の感情が俺の心臓をキツく締め付ける。心拍数が上がり、「ドクンッ、ドクンッ」という拍動音が聞こえてくるようだった。


「ん〜?何?」


 しかし杞憂に終わったようだった。紗夜は無事だった。今この状況でこれ以上大事な事は無い。


「今日は護衛依頼でも受けるか」


 今まではFランク冒険者として、採取依頼、討伐依頼しかなかったがランクアップしたことにより信用が上がり、新たな依頼が追加された。それが「護衛依頼」だ。長時間拘束されるのが欠点だが、報酬が高い。経験しておくのも悪くはないだろう。


「よしっ」


 気合いを入れ直し、護衛依頼を受注する。


「すいません、護衛依頼依頼は基本的に3人以上のパーティーを受付対象としているので………」


 困ったことになった。この世界にはそもそも知り合いが少ない。イーザックさんは他の仲間と依頼を受けているしパーティーを組むことも紗夜以外の人とは組んだことがないため不安だ。


「それならパーティー募集の紙をクエストボードの所に貼ってみてはどうでしょう?」


「「それだ!!」」


 早速行動に移した。


 1時間程経つと1人、パーティーになってもいいという人が現れた。


「パーティー募集の紙を見て来ました。Eランク冒険者のエルドウィン・ストレイフです」


 同じランクの冒険者だ。これなら大丈夫だろう。変に強い冒険者が来たとしても裏がありそうで怖い。同じランクならその点比較的安心出来る。


「カエデ・シノノメです。よろしくお願いします」


「サヤ・ミナズキです。よろしくお願いしますエルドウィンさん」


 簡単な自己紹介が終わり、依頼計画を詰めていく。今回の依頼で護るのは商人のナナンさんだ。主に荷馬車での移動で、サニーロの街から王都レグリアまでの予定となっている。この2つの街を結ぶ街道周辺は、最高でもDランク級のモンスターしか出ないとされていて比較的安全だが、それでも商人視点で見ると十分に厄介なためこうして依頼を発注しているらしい。


「それでは、行きましょうか」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「商人のナナンです。依頼を受けて頂きありがとうございます。荷馬車の中にどうぞ。モンスターが現れたらその時はよろしくお願いします」


 非常に礼儀正しい教養のありそうな人だ。好感が持てる。今回の依頼では約5日間かかる予定らしいので、気長にいこう。


 このヌール街道は綺麗に整備されていて石畳と西洋風な街灯が中々あっている。


 のんびりと馬車旅?を楽しんでいるとモンスターとエンカウントする。すぐに戦闘に入る。


ファイア・バタフライ(火蝶)かよ〜荷物が燃えたら大変だな」


 エルドウィンさんはそう言って水魔術を使用する。


ミストレイン(霧雨)!」


 辺りが霧に包まれる。成程これなら引火しにくくなる。流石冒険者の先輩だ。


クイックエッジ(素早い刃)!」


―刹那―


 ファイア・バタフライ(火蝶)は消滅する。パーティーならではの連携プレーも学ぶべきことが多い。この調子で頑張っていこう。


 その後も出現する数々のモンスターを倒しながら進んでいく。


 そして昼になり、休憩をとる事になった。ナナンさんが食事を用意してくれるようだったが、紗夜も手伝うことになった。料理スキルを持っているので有効活用しない手はない。


 今回は現代日本でいうところの「サンドイッチ」を作っているそうだ。


 厚切りのパンを薄きつね色になるまで焼く。そしてふわふわ卵をパンではさむ。簡単だが、確実に美味しい1品だ。


「うめぇ〜」


「美味しいです」


「流石料理人だな」


 紗夜は職業として料理人を持っていた。元々料理はできる方だったが、この職業の影響を受けているのかさらに美味しくなっている。


「料理ができる人がいるなんて僥倖でしたよ」


 ナナンさんは嬉しそうに言った。このような護衛依頼の場合での食事は殆どが干し肉等の保存食らしい。そのため、あまり美味しくない。しかし、冒険者は料理をする人の方が少ないのでしょうがない。


「もう少し休憩したら行きましょうか」


 休憩を終えて再び移動を開始する。軽い雑談を交えながら護衛をこなしていく。ナナンさんの荷馬車にはポーション等の薬品類が主に積まれているらしい。王都には冒険者がたくさんいるらしいので需要のあるポーションは高く売れるそうだ。王都にはランクFからAまでの冒険者がいるらしい。Sランク以上の冒険者はいないのかと尋ねてみたら、全世界にSランクが2~4人いるかどうからしい。


 だんだん日が暮れてきたので野営の準備をする。テントを2つ設営し、昼の時と同じように紗夜に料理してもらう。交代で見張りをしつつそれ以外の人は寝る。そして日が昇り朝を迎えた。


 護衛依頼2日目。今日も街道を進んでいく。景色も変わってきていて、辺りはすっかりと木々に囲まれている。今のところ、モンスターはF,Eランク級のモンスターが少しずつ出現しているだけで、大したことはなかった。すれ違う他の荷馬車にも冒険者が乗っている様子はするものの、疲弊しておらずモンスターが少ないことが伺える。


 平和な世界という感じだった。そう、平和過ぎたのだ。ただただ荷馬車を引く音のみ聞こえてくる。ふと、鳥が一斉に飛び立つ。


「不穏な空気がする…」


「絶対良くないことが起きる前兆だよね…」


「逃げる準備くらいはしないとやばいかも…」


 よし、危険が迫っているなら未遂でも逃げてしまえ。そう思っていたのだが……


「―――ブォォォォォン」


 そう、奴が現れたのだ。異世界ファンタジーでは強キャラと有名な「ミノタウロス(牛頭巨人)」が……

 




 





評価&レビューお願いします。

人の会話とか戦闘シーンって難しいですね。

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