表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/51

3 スライムと戯れる男

初評価ありがとうございました。

 

 早速依頼を開始する。似ている草が多すぎて困る。見分けが付きにくい。


「あったよ!」


 紗夜が薬草を見つけたみたいだ。はやいな。俺なんてまだ見分けの段階で苦労しているというのに.......


 気がついてみると、俺が初めて薬草を摘んだ時点で紗夜はギルドから支給されたカゴいっぱいに薬草を摘んでいた。


「帰ろうか.......」


「なんかごめん.......」


 なんか悲しくなったが、依頼達成ということでギルドに戻った。依頼分の薬草を納品する。


「紗夜さん凄いですね!薬草の状態がとてもいいですよ!これなら依頼主も喜びます。追加報酬も貰えるかもしれませんね!」


 サラは俺達の担当として働いてくれている。細かいサポートが上手で、とても頼りにしている。それにしても追加報酬が貰えるかもしれないとか、紗夜は凄い。昔、お花摘みを沢山やっていた所以か、そこそこ草花には詳しかったがそれが活きたのだろう。


「ええっと、追加報酬が確定しましたので基本報酬の大銅貨1枚に、銅貨5枚を追加で頂けるそうですよ」


 これは嬉しい。やっぱり冒険者は夢がある職業だ。


 この世界の通貨の価値はもといた世界に似ているらしい。


 鉄貨1枚→1円

 大鉄貨1枚→10円

 銅貨1枚→100円

 大銅貨1枚→1,000円

 銀貨1枚→10,000円

 大銀貨1枚→100,000円

 金貨1枚→1,000,000円

 大金貨1枚→10,000,000円

 聖貨1枚→100,000,000円


 というように、1桁毎に違うものを使用するらしい。ということは、今回の報酬は1,500円か。まあ、こんなものだろう。余裕があるので、別の依頼も受けていこう。


「今日は余裕があるので、グリーンスライムの討伐依頼もお願いします」


「無理はしないでくださいね?」


「分かってますよ!な、紗夜?」


「当たり前でしょ。命あっての物種だもの。」


 その流れで近くの草原に来た。他の冒険者もいっぱいいるなぁと思いつつグリーンスライムを探す。グリーンスライムは気性が穏やかで、新人の冒険者用の討伐依頼で最も受注されている。


 暫くすると、グリーンスライムがいた。単独の為、俺達でも安心だ。


「行くぞ、紗夜」


「うん」


 俺は元の世界では部活動として、弓道はやっていたが戦闘職は剣士しか所持していない。仕方が無いので、ショートソードで斬り掛かる。


「おりゃ」


 ―ぷにん―


「もう一度っ、おりゃ」


 ―ぷにん―


「嘘だろ、斬れないぞ?スライムってこんなに強かったっけ?」


「しょうがない、私がやるわ!前衛お願いね」


 そう言って紗夜は魔術を使う。この世界の魔術は基本的に誰でも使える。しっかりしたイメージを持っていれば、魔術を創作することも可能だ。その点でいえば、紗夜はいつも成績は優秀な方だったので科学の基礎的事柄はしっかりとおさえている。すなわち、ありがちな無詠唱魔術も難しくない。


「ファイアボール!」


 魔術を行使するにあたって、現代的知識ほど有用なものは無い。紗夜達は酸素という気体があるのを知っている。それ故、「火が燃える」という現象をイメージしやすい。従ってまだまだ未熟であるにもかかわらず、そこそこの威力の魔術を行使することが出来た。


 グリーンスライムはファイアボールによって消滅した。初戦闘をなんとか終えたのだった。


「ドロップ品は…」


「スライムジェルが1つと、大鉄貨1枚ね」


「まあ、こんなものか。あんまり戦った感じがしなかったけど………」


「いいじゃん、ちゃんと戦えたんだし」


「それもそうだな、もう少し戦ってくか。スライム相手にまともに戦えないんじゃこれから先心配だしな」


 ということで戦闘継続だ。グリーンスライムくらいは倒せるようにならないと流石に情けなさすぎて辛い。頑張ろう………


 結局、楓は一日中グリーンスライムをプニプニして戯れていた………


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「くっそ、なんで倒せないんだよ!レベルも上がったのに!」


 実は紗夜のお陰でLvだけはそこそこ上がっていた。それも

転生者への恩恵(サプライズ・ギフト)」のお陰でレベルの上昇は他の人よりも遥かにはやい。しかし、ステータス上昇が少ないように感じられた。


「よっしゃー!レベルアップしたぜ!ステータスが平均6くらい上昇したぜ!」


 なんて言っている人がいたが、俺達はレベルアップ1回につき平均3ずつしか上がらない。おかしいと思ってステータスを確認してみると、レベルの上限が表示されていなかった。普通は上限が表示されるはずなのだが……


 とはいえ、レベルアップが容易なのは助かる。グリーンスライムを狩っていただけだが、既にレベルは5に到達していた。思うところは沢山あるが、兎に角まずは街に帰ろう。


「お疲れ様です!随分沢山狩られましたね〜」


 サラはそう言ってグリーンスライムのドロップ品を数えていた。


「グリーンスライム×37で、討伐報酬銅貨37枚です。ドロップ品も換金致しますか?」


「「お願いします。」」


 結局この日の稼ぎは薬草採取依頼の大銅貨1枚と銅貨5枚、グリーンスライム討伐依頼の大銅貨3枚と銅貨7枚+ドロップ品のグリーンジェルの換金総額の大銅貨1枚と銅貨8枚と大鉄貨5枚。合計大銅貨7枚と大鉄貨5枚、日本円換算だと7050円だった。


「今日1日でそこそこ稼げたな。取り敢えず宿を探そう。明日に備えて。」


「部屋は別でお願いね?」


「はいはい分かったよ」


 その後宿を見つけてご飯もしっかりと食べ、異世界転生後最初の1日を終えた。色々大変なこともあったが、何とかなるだろう。








不定期更新ながらも頑張っていきます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ