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転生した古竜は人生を謳歌する  作者: くま
少女の日常
25/135

20話 竜の勇者

前回で一章終了といったな。あれは嘘だ。

というわけで視点変更、もう一人の主人公です。


 

 真っ白な空間に俺はいた。


 俺は、誰だったか?


 ああ、そうだ。俺の名はハジメ。

 しかし、俺は死んだはずだ。


 そしてここは……?


 予測を立てる。おそらく前世であの世界に飛ばされる前に何度かこういうものを読んだことがあった覚えがある。

 ……もしかしてこれが転生というやつか?


 確かに異世界転移を経験したことはある。

 実際人生の半分以上は異世界で過ごしていた。


 そして、人生の半分以上を過ごすこととなった異世界に飛ばされたときも、こんな感じの真っ白な空間を経由した覚えがある。


 確かその時は……、


『待った?』


 やっぱりいたか。

 俺の背後には白いワンピースを着た少女が立っていた。

 自称神様、俺をあの異世界に連れてきた張本人だ。


『いや、別に私が連れてきたわけじゃないんだけどね』


 じゃあなんで前もお前は現れたんだよ。


『それは逆にこっちが聞きたいぐらいの話。なぜか知らないけどあの時あなたはこの空間に突然現れたんだよ?』


 ああ、確かあの時はかっこつけて『なぜ人間がここにいる?』とか決め顔で言ってたもんな。


『ああ待って! それ黒歴史! 忘れて! 忘れてぇ!』

 

 はいはい、忘れたことにしといてやるよ。

 まったく、こいつ本当に神様なのか?


『くぅ……これでも私は神様では優しい方なんだぞぉ……敬われてるんだぞぉ……』


 涙目でそんなこと言われてもな。


『うぅ……他の勇者たちはもっとまじめな子達だったのに……』


 何?


『? どうしたの?』


 今、聞き捨てならないことを言ったよな?


『えっと、私が敬われているところかな?』


 そんなことはどうでもいい、勇者の部分だ。


『どうでもいいって……』


 俺以外にも勇者がいるのか?

 少なくとも俺が生きていたころに勇者召喚なんて行われてなかったはずだし、お前言ってたよな? 俺が最初の勇者だって。


『うん、確かにハジメが最初の勇者なのは間違いないよ』


  ならばどういうことだ?


『私が言ったのはあなたの後輩、次世代の勇者たちのことだよ』


 次世代の勇者……、もしかして俺は長い間眠っていたりとか……、


『正解。まああなたがここに来たのはついさっきのことだけどね。それ以前は何してたか私知らないし』


 そうか。まあそれはいい。しかし達ってことは俺の生きていた時代からは何百年か経っているんだろ?


『正確には勇竜暦2439年。あなたが英雄王として一つの国の王となった日をはじめとした年から数えればこれだけ経ってるよ』


 まさか四桁だったとは……。ずいぶんと寝坊したみたいだな。

 しかしなぜこのタイミングで俺はここに来たんだ?


『ああ、それは簡単に言ってハジメが必要になったからだと思う』


 そういうの神様のお前が決めるものじゃないのか?


『あくまで私は管理者。世界は一つの生物であり、それを作ることが専門の神様しか知りえないことだってあるんだよ』


 つまりお前の専門じゃないと。


『そういうこと。私にはわからないけど、少なくともハジメはここにきて、転生することが運命付けられたんだと思うよ』


 やっぱり転生するのか……。


『うん、これはあとから分かったんだけどこの部屋はあの世界へ行くための停留所みたいなものみたいでね。道しるべを出して世界の選択肢を正しい方向に導くことも私の仕事みたいなんだよね』


 お前も苦労してるんだな……。


『まさかあなたが私の苦労を分かってくれる日が来ようとは……』


 おいおい泣くな。かわいい顔が台無しだぞ。


『なーんでそういうこと言うかなぁ?』


 ん? 実際かわいい顔してるんだからもったいないだろ?


『はぁ、王女様の次は私ですか。まあ別にハジメのことは嫌いじゃないんだけどね』


 そうか。

 なんか話がそれてきてないか?


『あなたがそれを言う? まあいいわ、話を戻しましょうか』


 おう。

 で、ここが停留所だってところだったか。

  

『ああそうだったわね。それで、ここに来た時点で肉体を持っていればそのまま送るだけなんだけど、今のハジメみたいにすでに死んでいて、魂だけの人は転生させなきゃいけないのよね』


 やっぱり俺は死んでいたか。


『あら、覚えてないの?』


 正直に言えば少しあやふやだな。

 ただ、最後は誰かに囲まれていた覚えがある。


『そう、まあそれは思い出さない方がいいわよ』


 そうか、まあ思い出せないから大したことじゃないんだろうがな。


『ええ、大したことじゃないから。それで、転生に関してなんだけど』


 もしかして転生先選べたり?


『しないわよ』


 ですよねー。


『一応あなた自分が勇者だって覚えてる? 仮にも勇者の魂を入れる器がどれだけ世界にいるかわかってる?』


 ああ、確かにそうだな。

 そう簡単に鉄斬って岩砕いて竜人族の大軍と単騎で渡り合えるような奴がたくさんいても困るしな。


『だからその才能がある転生先にしか転生できない。それにあなたの器となる転生先って一つしかないのよね』


 それほどに希少なのか。

 

『もしかしたら冥府の方もあなたの魂が強すぎるから私に投げてきたのかもね』


 そんな厄介払いみたいな扱いされてたのか俺って……。


『まあしょうがないじゃない。一応あなたは私も認める世界の大英雄よ?』


 そうだったな。


『それに魂は前世の行いにも影響される。どれだけの人があなたのことを思ったか。どれだけの人があなたのことを知っているか、それだけで魂の強さが変わってくる。特にあなたみたいな全世界に名を轟かせ、二千年たった今でも勇者の大頭として語られる大英雄とならばなおさらね』


 まあ世界中飛び回ったしな。


『というわけであなたは転生してもらいます』


 なんか手順とか必要か?


『特に必要ないわ。そうね、一応何か聞きたいこととかあるかしら?』


 転生先について。


『とある国の王族。そこの次男』


 前世で覚えた魔法と魔力について。


『あなたの魂が強すぎるから多分使えると思うわよ? だからって世界滅ぼすようなことはしないでね』

 

 俺が転生したらお前はどうするんだ?


『あなたで最後だと思うから少し休暇を取ろうと思ってる』


 休暇って……。


『いいじゃない。ここ数千年ドタバタしてて忙しかったんだから』


 まあ確かに前世じゃ、たくさん助言くれたしな。


『ふふん、感謝してくれてもいいのよ』


 ああそうだな。感謝してるよ。


『意外ね、あなたが素直になるなんて』


 俺を何だと思ってるんだよ。


『まあそれは置いておこうじゃないの。っと、さっそく転生始めるわよ』


 突然だな。


『まあ少し時間が押してるからね、じゃあさっそく』


 ふむ、不思議だな。転移するときも転生するときも同じ光に包まれてるのは。


『まあ基本的には似通った魔法使ってるもの』


 そうだったのか。

 

『ああ、あと向こうで何か大きなことが起こるかもしれないのは覚悟しておいてね』


 わかったよ。


 ……それじゃあ、またな。


『ええ、また会いましょう』


 









『さて、私も始めましょうか・・・あれ?ちょっと待ってなんか変なのに引っかかった! きゃぁぁぁあああああ!!!』




今度こそ本当に第一章は終了です。

次の投稿は二章を執筆し終えてからになるので次の更新まで数か月期間が開くかもしれませんがご了承ください。

ただ外伝とかやるかも。


あんまり期待はしないでね。

では、またいつか(* ´∀`*)ノシ

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