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転生した古竜は人生を謳歌する  作者: くま
竜の記憶
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プロローグの1 これはいつかの出来事

かなり読みにくいかもしれませんがよろしくお願いします!

 

 これはある世界で生きた竜の話。


 その竜はいつの間にか生を得ました。

 下にはついさっきまで自分を覆っていたであろう卵の殻、上にはどこまでも青く澄み渡った空。

 生まれたばかりの竜はそのどこまでも広がる世界に夢を見ました。


 その小さな翼を広げ、弱弱しくも空を舞う。その姿は幼くともまさしく世界最強と謳われた竜でした。


 


 竜は見ました。竜の前にいたのは人間でした。しかし、人間は竜におびえていました。

 自分とは違う姿をした人間に竜は興味を持ちます。しかし、その人間はどこかへと走り去ってしまいました。


 竜は思います。――やはり、違う姿の者とは相いれぬのだろうか、と。

 竜は理解していました、捕食される者と捕食するものの違いを。そして竜は考えました――もし、私が人間だったら……。


 


 竜は観察しました。皮肉にもその優れた身体能力のおかげで、はるか高い空の上から、はるか遠い山から、誰にも気づかれない闇から、人を観察しました。

 竜は憧れました。彼らの作り出す文化に。もし自分が握ってしまえば跡形もなく潰れてしまいそうなその腕で作り出す繊細な彫刻。自分よりも少ない知識しかないのに、想像を超える壮大な物語。鼻をくすぐる魅力的で味を想像するだけでも涎が垂れるような料理。

 そして、それを取り囲む人々の笑顔に、竜は憧れました。


 竜は思いました――私の周りには何がいる?

 竜は知っています。その聡明な頭で考えることもなく、自分が竜として最後の一匹であることを。

 もしかしたら、まだどこかでひっそりと暮らしているかもしれない。そんな考えが浮かぶ時がありました。しかし、竜は竜を探そうとはしませんでした。


 


 竜は知りました。姿を変える魔法があると。そのために竜は必死で魔法を研究しました、少しばかり持っていた魔導書、そこから編み出したオリジナルの魔法。すべての属性を操りましたが。それでも人の姿になることは叶いませんでした。

 それでも、竜は諦めません。なぜなら、竜は人ともに暮らしたかったからです。



 

 竜は驚きました、人の子が竜の住む山のふもとに捨てられていました。

 竜は考えました――このままではこの子は死んでしまう。しかしなぜこんなところに?


 竜は決意しました――この子は私が育てるか……。




 竜は疑問を浮かべました。――なぜ竜が人を育てているのだろうか?

 しかし、竜は人の子を手放しませんでした。なぜなら、竜はその暮らしを楽しんでいたからです。

 多少は手がかかるものの、その苦労も楽しく感じ。時折見せてくれる笑顔に、竜もまた救われていました。






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