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第十二話 新しい生活?

A.G.2870 ギネス二五九年

雪(氷)の月(十一の月) 地の週の三日(三日)

古代神殿



 古代神殿の探索が終わって一週間、いや、ゲルマニアでは一週間と一日、七日間が過ぎていた。

 封印されていた全ての部屋が開け放たれ、全員の引越しが終わっている。

 元々ここには数百人が生活していただけあり、その設備は驚くほどに整っていたのだ。

 当然それまで暮らしていた入口の広間(エントランス・ホール)は綺麗に片付けられ、エリとユーリウスは神殿の神官達の部屋に入り、メディナは神殿裏に建つ下級神官の宿舎に入っている。メディナにとってはそこが一番畑にも近く、研究で様々な悪臭を撒き散らす事がある関係上、研究室としてある程度広い空間を占有出来る倉庫棟に近い方が良かったのである。

 エリとユーリウスは二・三日の間寂しそうな様子を見せていたが、遠慮をしなくて済む様になった途端に始まった魔法薬実験の悪臭を知ってからは、時折微妙な顔をする程度で何も言わなくなっていた。

 同じ建物でやられたら死人でも飛び起きてきそうな臭いであったのだ。

 因みにブルーとニグラスについては厩舎に寝床を確保してあったが、柵や扉で閉じ込められている訳でもなく、目が覚めれば神殿内を好き放題歩き回っている。

 因みにユーリウス達が「神殿」と呼んでいるこの建造物は、ざっとミニ東京都庁舎の中世版といった形状である。

 東京都庁舎に当たる二つの巨大な塔と、聖堂や上級神官達の個室に大食堂等がある、二つの塔の間の基部、その正面にある中庭と、中庭を囲む都議会議事堂に相当する部分と、大きく四つの構造に分かれている。

 エリとユーリウスが自室にしたのは中庭を囲む都議会議事堂に相当する部分の三階、上級神官の為に用意されていたと思われる個室で、元々エリやメディナ、それからユーリウス達が暮らしていたのは、この都議会議事堂部分一階正面の入口の広間(エントランス・ホール)であった。

 神殿の巨大さ――と言っても東京都庁舎の高さは比べるべくもなかったし、敷地についても東京都庁舎の三分の一にも満たないのだが――に目を奪われてしまって気付き難いのだが、裏手の兵舎兼倉庫や、メディナが入った下働き達の宿舎兼倉庫も非常識な程巨大である。


挿絵(By みてみん)


 そんなこんなで、新しい神殿生活が始まって七日、毎朝各自に畑の世話やブルーとニグラスの世話に鍛錬等を行った後、神殿の大食堂に集まって朝食をとり、食事をしながらその日の予定を三人で話合い、其々の仕事をし、再び夕食に大食堂へ集まって語り合ってから自室に戻るというサイクルが出来ていた。

 なお、モモについては相変わらず何をしているのか謎であり、時折クルクルと渦巻く霧が神殿内を彷徨っていたりするが、それはモモの本体ではなく、モモが各地を監視する為に送り出している端末かドローンの様な存在である。

 死ねば良いのに。






説明回でした。

すいません。

次の投稿は今日の午前十一時を予定してます。

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