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川口さん

♪ピンポン・・

「こんにちは。○○不動産さんから紹介されてきた者ですが」

「はーい、ただいま・・」


「はじめまして川口と申します」

「田村です。わざわざおこしいただいて」

「いえ」

「じゃあ早速お店の方にご案内しますね!」


「ほーお、なかなか素敵なお店ですね。造りもしゃれてる!」

「そうですね。私も初めてこのお店を見たとき、同じような感想を持ちました」

「広さも十分だ!」

「あちらのキッズスペースまで席を置けばかなりの数になります」

「そうですね。厨房の方もよろしいですか?」

「はい、どうぞ」

「・・こちらも使い勝手が良さそうですね」

「ええ」

「わかりました。私の気持ちはほぼ決まりです!」

「ありがとうございます!」


「コーヒーいれてきますね」

「おそれおります」


「どんな感じ?お母さん」

「良さそうな方だわ!紳士って感じ」

「いくつくらいかなあ?」

「ん・・50歳過ぎってとこかしらね」

「そうだね」

「瞳、コーヒーはいったら運んできてくれる」

「OK !わかった」


「川口さん、今はどちらのお店で?」

「ここから車で20分程の隣の町です」

「そうですか」

「うちの厨房には、私を含め5人が料理を作ってるんですが、私が一番年上でね、次と20歳も離れてる」

「はあ」

「彼ら腕は確かなんですよ!それに創造力もある。そろそろ次の世代にバトンを渡す時期なのかなと思うようになりましてね」

「それで新しいお店を・・」


「失礼します。コーヒーどうぞ」

「ありがとう」

「娘です」

「ほう・・」

「はじめまして!」

「こりゃあ可愛らしいお嬢さんだ!」


「ではまたあらためて伺います」

「はい。宜しくお願いします」


そして翌朝の教室

「昨日さ、うちのお店を見に来た人がいたんだ」

「あそこでお店をやりたいってことか?」

「うん。まだ決まった訳じゃないんだけど」

「どんなひとだった?」

「50歳台の男性よ、川口さんって言ったかな。私もお母さんもなかなか好印象って感じかな!」

「じゃあほぼ決まりじゃん」

「うん・・?」


『皆さん下校の時刻に成りました・・・』

そして蘭君と私は今日の曲が流れるのを待った。


♪ラララ・ララララ・・♪


「せーの サウンドオブサイレンス!」と二人は声を合わせた!こんな幸せあっていいの・・へへえ。


「瞳の話だとこのまま決まっちゃうような感じだっね」

「感じのいいひととか言ってたし・・そうかもね」

「理奈ちゃんのお父さんにやって欲しかったなあ!」

「そういえばお父さん、いつ戻るのかな・・」

「どこか出掛けてるの?」

「北海道!荷物とかまとめるんだって」

「そっか」


そして私たちはマンションに着いた。

「じゃあね蘭君」

「じゃあね!」


「ただいまー!」

「おかえり」

「あのねお母さん、瞳のとこの喫茶店、昨日男のひとが見に来たらしいわよ!」

「えっ!」

「ん?・・お母さん、意外な驚き」

「ああごめん」

「どうかしたの?」

「もしかしてって思ったもんだからさ」

「えっ?」


お母さんは、お父さんの気持ちを聞かせてくれた。

「勘よ!お母さんの勘・・」

「そつかあ・・お父さん料理の仕事本気でやりたかったんだ!」

「うん、そんな時期もあったわ」

「でも残念、確か川口さんとか言うひとだって、喫茶店を見に来たひと」

「えっ!」

「ん?」・・またまた意外な驚きのお母さん。

「いや、何でもない。何歳ぐらいのひとだろうね?」

「瞳の話だと50歳台だって」

「そう」

「うん・・着替えてくるね」


偶然だろうか?!川口という名前、昔のレストランの料理長と同じだ。まさかあのひとが・・・ 。










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