キャー!
私の肌、最近白さは気にならなくなった。以前は、白すぎる肌を隠すため伊達メガネをしてたぐらいなのに・・。
数日後
「ただいまー!」
「あっ理奈、待ってたのよ!お父さんが大事な話があるって」
「お父さん、大事な話って?」
「今日正式にお断りしたんだ!ロシア行きのこと」
「ホント!?」
「ああ、本当だ」
「ごめんねお父さん、私のために・・」
「理奈が謝ることはないよ。お父さんも考えてのことなんだからな」
「ありがとう」
「それと・・」
「えっ?」
「お父さん、こっちに越してこようと思ってる!」
「こっちって、この家にってこと!?」
「ああ、理奈がいいって言ってくれればだが」
「もちろんいいに決まってるでしょ!」
「そうか、安心した」
「ホントに、ホントに3人で暮らせるのね!」
「うん!」
「やったー!・・私ちょっと出掛けてくる」
「どこへだい?」
「この真下の家よ!」
私は制服のまま家を飛び出した!外階段を駆け足で下り・・
『♪ピンポン』
蘭君の家のチャイムを鳴らした。
ドアを開けてくれたのは翼君。
「あっ理奈ちゃん!?」
「翼君、ちょっとお邪魔するね!」
リビングには蘭君のお母さん。
「すみません突然、お邪魔します!」
私は挨拶もそこそこに、蘭君の部屋のドアをノックもせずに開けた。
「キャー!」
「ギャー!」
「今、すごい声が聞こえたね!」
「お母さんにも聞こえたわ!」
「どうしたのかなお姉さん?」
「ん・・きっといい知らせを持ってきたのね」
「いい知らせ?」
「そう!いい知らせ」
私がドアを開けると、蘭君は着替えの真っ最中!最初に声をあげたのは私。その私を見て声をあげたのは蘭君だ。
「ごめんなさい!」
思わず背中を向けてしまった私。
「理奈ちゃん!?何かあった・・」
「もう見ていい?」
「うん」
そして振り向き、蘭君の目を見て私は言った。
「ここにいられる!ロシアに行かなくてよくなったよ!!」
「ホント!?」
「ホントよ!今お父さんがそう言ってくれたの」
「やったね!」
「それにもうひとつビッグニュース!お父さんもこっちに来て、一緒に暮らしてくれるんだってー!!」
嬉しくて嬉しくて、私は思わず蘭君に飛びついていた!
「翼、勝手に部屋のぞいたらダメでしょ!」
「うん、でも抱き合ってたよ蘭と理奈お姉さん」
「あら!」
落ち着きを取り戻した私は、ようやく蘭君のお母さんにご挨拶。
「あっそう、やったわね理奈ちゃん!」
「はい!色々ご心配をおかけしました」
「うんん。でもこれからが大変ね。お父さん仕事を探さなくちゃだもん」
「ええ」
「お父さん、こっちでの生活は初めてでしょう」
「はい」
「でも家族が近くにいるんだもんね。こんなに心強いことはないわ!だからきっと大丈夫よ」
蘭君の家から戻ってからも、私の興奮はさめることはなかった。でも、瞳のこと、お父さんの仕事のことと周りでは大変なことだらけ!
それでもきっとうまくいく!今日の私はすごく前向き・・。
サッカーの地区予選、男子は惜しくも3回戦敗退。
女子は順調に勝ち進み、今度の日曜日に準決勝と決勝戦が行われる。
蘭君あんなに頑張ったのになあ。
蘭君の分までしっかりやらないと・・。