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桜が満開だ!天気もいいし絶好のお花見日和・・らしいけど。

「蘭、天気いいからさあ花見行こうよ!」

「俺はパス!」

「えっ、なんでよ。じゃあ翼は?」

「僕もパス!」

「父さんと行ってきたら・・」

「お父さんが行くわけないじゃない!」

「・・・」


「仕方ない、理奈ちゃんのお母さんでも誘ってみようかな!?」

「えっ」


まさか理奈ちゃんも一緒に行かないよな。俺は確認のため理奈ちゃんにメールをした。

「理奈ちゃんもお花見行くの?」

「蘭君、お花見がどうかしたの?」

まだ母さんから連絡はいってないらしい。


「うちの母さんが、理奈ちゃんのお母さんをお花見に誘うって言ってたから・・」

「そうなんだ。蘭君は行かないの?お花見」

「聞かれたけどパスした!」

だって母さんと一緒なんてカッコ悪いしな・・。


「蘭君、私もお母さんにお花見行かないかって聞かれちゃった。どうしよう?」

「理奈ちゃんも!」

おっ、母さん連絡したんだな!


「ねー蘭君、行こうよ!お花見」えっ!理奈ちゃん行くの!

「理奈ちゃんがそう言うなら行ってもいいけど・・」と言うか絶対行く!

「じゃあ決まりね!」


俺は母さんの所へ行き

「母さん!」

「ん?」

「あのさあ・・」

「・・行くんでしょ!お花見」

「なんでわかったの?」

「顔に書いてある!理奈ちゃんが行くからでしょ・・」

顔に書いてあるわけないでしょ!


場所はいつか理奈ちゃんとデートした△△公園だ。あの時はまだ寒かったんだよなあ。魚は一匹も釣れなかったし。

そして季節はもう春かあ・・。


しかし、桜なんか見て何が楽しいのかなあ・・?

今日は母さん達も手抜きのコンビニ弁当。


「うんー、やっぱり桜はいいわねー!」

「ホント、心がウキウキしますね!」

母さんたちは満開の桜に感激してるみたいだ!


そして翼は・・一本の桜の木の下で何やらやっている。

「蘭君、翼君のところ行ってみない?!」

「ああ」


二人は翼のところまで駆けて行った。

「翼、そんなところで何やってるんだ?」

「これ!」

そう言ってつき出した棒切れの尖端には、一匹のケムシが這っていた。

「うっ・・」俺は一瞬息をとめた。


そして

「キャー!」

理奈ちゃんは本気で悲鳴をあげてしまった!そして、そして

「ん?」

理奈ちゃん?!

理奈ちゃんが俺の体にしがみついてるー!!マジかあー・・。

俺の心臓はバクバクバクバク・・破裂寸前だ。

「ん?・・あっゴメン蘭君」


「理奈お姉さん、顔真っ赤だよ!」

「えっ!」


「おっ!あっちでは青春してるみたいよ!」と母さん。

「みたいですね!」と理奈ちゃんのお母さん。


「ふう、驚いた」

「ゴメンよ理奈お姉さん」

「うんん・・私ケムシだけはダメなのよね!カエルとかトカゲとかは全然平気なんだけど」

「えっ!トカゲも平気なの・・」

「蘭はダメだよねトカゲ」

「うるさい!」


「あーお腹いっぱい!」

「コンビニ弁当もなかなかいけるわね!」

「ホント」


「蘭、見てたわよ!」

「何を?」

「こんなところで理奈ちゃんと・・」

「えっ?母さん見てたの・・」

「理奈ちゃんのお母さんとね!」

「ああ、私もしっかり見てたわよ!」


「何の話?」

理奈ちゃんと翼がトイレから戻ってきた。

「いや、なんでもないよ・・」

「あっ!内緒話だな」と翼。

「違うよ」

「フフフッ」


「さあ、そろそろひきあげましょうか!」

「そうね」


「今日は誘っていただいてありがとうございました」

「いいえ、こちらこそ楽しかったです」

「じゃあね蘭君、翼君」

「お姉さんバイバイ」

「バイバイ。翼君ありがとね!蘭君、あとでメールするね」

翼君ありがとね・・なんで・・?

「ああ」


「翼、ありがとうって何だよ?」

「別に」

「教えろよ!」

「・・ダメ!」

「ケチ!」


ブーブー。

「蘭君、今日は変なことしちゃってゴメンね!」

「変なこと?」

「キャー!ってさ」

「あーあ、あれか!」驚いたけど、嬉しかった!

「そう、あれ!」


「そうだ、今日翼にありがとうって言ってたけど、何だったの?」

「内緒よ!・・あとで翼君に聞いてみて」

「わかった」

それが教えてくれないんだよ翼のやつ。

「蘭君・・」

「なに?」

「うんん、おやすみ!」

「おやすみ」


ん?蘭君って・・何だったんだ。

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