正夢?
母さんの言うことはその通りだけどな・・。
北海道なんて、もし理奈ちゃんが行ってしまうようなことがあったら・・遠いよなあ!まさかとは思うけど、理奈ちゃんのおじいちゃんが生まれたロシアになんて言ったら・・あーもう、きりがないよ。
全然眠れない。なんか音楽でも聞くか。そう思ったとき、急にメール着信の音が。
ブーブー・・理奈ちゃんだ!
「お父さんがこっちに会いに来るだけで、私は北海道には帰らないよ!」
あー、よかったあ~。
「安心しました!」
「蘭君、まだ起きてたの?」
「うん、なんか眠れなくてさ」
「ごめん、返事が遅くなって!」
「うんん、安心したら急に眠くなってきた」
「わかった。明日またメールするね!おやすみ」
「おやすみ」
理奈ちゃんの言葉を聞いてひと安心!俺はそのままベッドで眠ってしまった。
場所はどこだろう・・学校?家?・・違う!いつか理奈ちゃん、一也、瞳、俺の4人で来た映画館だ。隣を見ると、3人は楽しそうに映画を観ている。まるで俺がここにいることを無視しているみたいに、完全に俺は蚊帳の外って感じだ!
「理奈ちゃん!おい一也!瞳!」
呼び掛けても誰もこっちを向いてくれない。
なんの映画だ?いったい・・。
前の大きなスクリーンに目をやり、じっとそれを見つめていると、急に3人の会話が聞こえてきた・・。
「ほら、あの列車がシベリア鉄道よ!あの線路はどこまでも続くの・・」
「理奈もあそこに帰っちゃうのよね!」
えっ?今のは瞳が発した言葉だ!
「うん、俺もいつかあの列車に乗ってみたいな!理奈ちゃんその時は案内してくれよ。
ん?今のは一也の声。
二人とも何言ってるんだ!?
「一也、瞳、理奈ちゃんはそんなところに行ったりはしないぞ!」
「蘭、お前知らないのか?」
「蘭、理奈はロシアに帰るのよ!」
一也と瞳だ。
「そんなはずはないよ!ね理奈ちゃん」
「うんん、私帰るのよ!蘭君」
「えっ!だってさっき帰らないって言ったじゃないか」
「あれは嘘よ」
「嘘?」
「私、蘭君に嘘をついてたの!」
「理奈ちゃん、理奈ちゃん・・・」
「バイバイ蘭君」
「理奈ちゃん、理奈ちゃん・・・」
俺は目をさました。
なんなんだ今の夢は?
理奈ちゃんがロシアに行っちゃう?
バイバイ?
まさか、正夢ってことないよな・・。