表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/123

お父さんに会える

お母さんが新聞を見てる。あの朝と一緒だ!お父さんのことで何かあったのだろうか?

「お母さん!?」

「理奈、おはよう」

「もしかして、列車事故のことが載ってるの?」

「うん。お父さんの会社が事故の責任を認めたって!」

「そう・・でお父さんはどうなっちゃうの?」

「まだわからないけど、おじいちゃんのこともあるし、最後までその真相を追うと思う。そういう人だもん理奈のお父さんは・・」

「うん」

「ただ、会社の経営がどう傾くかちょっと心配ね」

「お父さん・・」

「大丈夫よ!理奈。お父さんを信じましょう」

「うん」


「・・理奈・・」

「ん?」

「うんん、何でもない・・」

何を言おうとしたの?お母さん。


「理奈、お弁当忘れないでね」

「うん、じゃあ行ってくるね!」

「頑張って」


今日は期末テスト最終日。

蘭君がいつもの場所、いつもの時刻にやって来た。

「おはよう」

「おはよう、蘭君、お弁当持ってきた?」

「ああ、ちゃんとあるよ!」

「今日から部活再開だもんね」

「うん・・そして来週は修学旅行!」

「そうね!」


そして教室へ・・。

すると蘭君の座るはずの席に和久井くんが・・。

「ん?一也、ここは俺の席だけど!」

「ああ、わりいわりい・・」

「お前何見てるんだそれ?」

「パンフレットさ!沖縄のな」

「もしかして、修学旅行の予習とか?」

私はあきれた感じで聞いた。

「ピンポン!さすが理奈ちゃん」

「アホだろうこいつ!」と瞳まで呆れてる。

「来週だぞ!修学旅行は。それに、そんなものどこから持ってきたんだよ?」

「旅行代理店。蘭も見るか?」

「いいよ!とにかくそこをどいてくれ」

「沖縄の青い海と白い波!どこまでも広がる青い空!あー、いいなあー・・」

「和久井!なにやってるの!?」

あっ!横山先生。今日はいつもより早い登場だ。

「うっ!」

「そんなものを学校に持ってきて・・没収します!」

「はい~~」

かわいそうな和久井くん。


「今日は期末テスト最終日です。最後まで気を抜かずベストを尽くすこと!」

「はーい」

「わかった!?和久井、それと蘭」

「はっ?何で俺も」

あーあ、蘭君まで注意されちゃった!


そして3日間の期末テストが終わった。


「蘭たちは部活だろう?」

「ああ!」

「頑張れよ!じゃあな」

「一也のやつ、お前もたまには部活に出ろ!」

「理奈も部活よね!」

「うん」

「じゃあ私も帰ろっと!お弁当もないしね」

「またね!」


「蘭君、お弁当どこで食べる?」

「ここで食べるけど」

「屋上行かない!」

「屋上?」

「今だけ開放してくれてるみたいよ。何人かお弁当を持って行ったみたいだから」

「じゃあ行こうか!」

「うん!」


今日はいい天気で、最高のお弁当日和だもんね!


屋上に行くと、既にお弁当を食べている人たちも。でも、さすがにカップルはいないな!


「この辺でいいかな・・」

「うん」

私たちがお弁当を広げていると、そこに意外な人物が・・。

「一緒にいいかな?」

横山先生だ!

「先生!」

「よいしょっと!いい天気だね」

「先生もお弁当ですか?」

「そうよ!私も部活の顧問だからね」

「テニスだよね!」

「ああ、そうでしたね!」

「二人とも美味しそうなお弁当ね!」


「先生、私前から気になってたんですけど」

「なに?」

「何で先生は蘭君のこと『蘭』って呼び捨てなんですか?」

「そのことか・・蘭が幼稚園の頃からかな、私たち家が隣同士だったのよ。それで、その頃から蘭って呼んでたの」

「そうだったんですか」

「それに、蘭のお母さんとも友達なのよ!」

「なるほど・・」


「それより安藤さん、お父さんとは連絡とれてるの?」

「私は全然・・」

「お母さんは?」

「お母さんも、こっちからは連絡をとってないみたいです」

「そう。早く一緒に住めるようになるといいわね!」

「はい」

「蘭、それまでしっかり安藤さんをガードしなさいよ!」・・先生。

「わかってま~す」

「よろしい!」


そして・・

10億円で事実をもみ消し!

当時の社員2名の殺害!

フラトコフ氏 関与認める!

○○社存続の危機!

翌日の新聞にはそんな文字が一面を埋め尽くしていた。


不意に電話が鳴った!

「俺だ」

「あなた」

「新聞やテレビで大々的にやってるから知ってると思うが・・」

「あなたは無事なの!?」

「ああ、俺は大丈夫だ」

「よかった」

「ここでの俺の役目はどうやら終わったみたいだ」

「じゃあ、お義父さんのことも?」

「ああ!」

「それで、これからどうするの?」

「とりあえず今の会社はやめようと思う」

「うん」

「これからのことは、理奈も交えて話し合いたい。近いうちにそっちに行くよ!」

「わかったわ!」

「じゃあ」

「くれぐれも気を付けてね」

「うん」


「ただいまー!あーくたびれた」

「理奈!お父さんがね、お父さんがこっちに来るって」

「えっ!ホントお母さん」

「うん、今日電話があったのよ!」

「お父さんが・・」

お父さんに会える。私の大好きなお父さんに!

私は自然と涙がこぼれた。


私は蘭君にすぐメールを入れた。

「今度お父さんに会えることになった!」

「ホント!」

「うん、今日お父さんから電話があったって!」

「よかったね!理奈ちゃん」

「うん!」


今夜はお父さんが夢に出てきそうだな・・。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ