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帰っちゃったね

蘭君は、昨日の手作りチョコ、世界一のうまさだったって言ってくれた!ありがとうって。でも、そのあと何か言いかけてすぐやめちゃったんだよな。あの続き何だったんだろう・・。


「蘭君、今日の勉強会なんだけど」

「勉強会?・・理奈ちゃん、勉強会って」

「えっ!」

あっ!和久井くん。

「蘭、勉強会ってなんだよ?!」

「ん?・・」


「なに大きな声で?」

瞳だ。

「蘭と理奈ちゃん、二人で勉強会やってるんだってさ!」

「それがどうかしたの?」

そうよね瞳、別に普通のことよね!

「えっ?どうって・・」

「そうだよ一也、お前たちもやればいいだろう!二人で勉強会」

そうだ、そうだ!

「俺たちってまさか・・」

「瞳とに決まってるだろう!」

「なに言ってるのよ蘭」

「あーあ、それいいんじゃない!」

「理奈まで・・」

瞳だってそうしたいくせに!


「あっそうだ!じゃあ四人でやらないか」

和久井くん、なぜそうなっちゃうの?


「あーあ、そうしましょう!ね、理奈」

「えっ!・・そ・・そうね~」

押しきられた!


「それで、いつもどこでやってるんだ?勉強会」

「図書館とかだよ」

「とかって・・蘭、他にもあるのか?」

しつこいぞ和久井くん!

「・・俺の家とか・・」

「そういうことかあ!」

なんか嫌な流れ・・。


「じゃあ・・今日は理奈の家だね」

「私の?」やっぱりそうきたか。

「どう理奈?」

「私は別にいいけど・・」

「じゃあ決まりね!後で一也と行くね!」

「うん」

蘭君と二人が良かったのにー・・!


帰り道。

「なんか、まんまとやられたって感じだな!」

「ああいう流れになると、なかなか嫌とは言えないわ」

「そうだよね。あいつらも二人でやればいいのになあ・・」ホントよね。

「まあいいじゃない!たまには四人も・・」

仕方ない!


「ただいまー!お母さん大変よ」

「えっ?どうしたの」

「家に来るって!友達が・・」

「蘭君でしょ!知ってるわよ」

「はあ?」

「昨日蘭君のところにお邪魔したから、今日はうちだなって!」

「ああ、そういうことか!・・それが、蘭君だけじゃないのよ。和久井くんと瞳も来るって」

「あら、にぎやかそうね!」

「せっかく蘭君と・・」

「まあまあ、友達は大切にしないとね!」

「・・そうね」


「何時ごろ来るって?」

「そろそろじゃないかなあ・・」


ピンポン

来たみたいだ。

「はい」

「佐藤でーす!」蘭君!


私は玄関のドアを開けた。

「蘭君」

「おう!実はみんな一緒なんだ」

「よう!」

「来ちゃったよー!」


「うん、上がって!・・お母さん」

「お邪魔しまーす」

「いらっしやい!さあ中にどうぞ」


「はじめまして!田村瞳です」

「和久井一也です」

「・・佐藤です」

「はじめまして!理奈の母です」

蘭君は初めてじゃないよね。


私たちはリビングのテーブルで勉強することにした。

「蘭の家は行ったことあるけど、なんか感じが違うな」

「そう言えばそうだね。ねっ蘭」

「うん!壁の色とか模様が違うからかな・・」

正解よ!蘭君。


「冷蔵庫におやつが入ってるから!みんなで食べてね」

「ありがとうござおます」

「お母さん出掛けるの?」

「お夕飯の買い物よ。みんなゆっくりとしていってね」

「はーい」


「理奈のお母さんって綺麗な女性(ひと)だね!」

「うん、すげえ美人」

「理奈のお母さんっていくつなの?」

「36歳かな」


すると瞳が言った。

「理奈、理奈の部屋見せてよ!」

「いいよ!こっちだけど・・」

私は自分の部屋に瞳を案内した。すると

「男子はダメよ!レディの部屋を勝手に覗いたら」

と蘭君と和久井くんに向かって言っている。二人はポツンとリビングに・・。


今日は私の部屋で、蘭君と勉強しようと思っていたから、部屋はキレイに片付いている。だからちっとも構わないんだけど・・。

でも、ここは瞳の意見に素直に従った。ごめんね蘭君。


お母さんが用意してくれたおやつはプリンアラモード。

いつの間にお母さん・・。それに5個あるってことは、1つはお母さん?違う、翼くんの分だ!

私たちは、蘭君が持ってきてくれたアイスクリームとプリンアラモードで、もうお腹がいっぱい!


しばらくすると

「そろそろ終わりにしようか!」と瞳。

「そうだな、結構はかどったぞ今日は!」

「私もこんなにメモっちゃったわ!」

瞳は、一也から奪い取ったルーズリーフの表裏に、ちっちゃな字でぎっしり!

「瞳にしては上出来だね」

「あら蘭君、ほめてくれてありがとう」

フフフッ・・瞳の言い方が妙におかしい。


「理奈、お母さんによろしく言っておいて!プリンアラモード、とても美味しかったって」

「うんわかった!」

「さあ、一也行くよ!」

「おう!蘭・・」

「蘭はいいの!」

「あっ!そうだったな」

「じゃあ理奈またね!」

「理奈ちゃん、ありがとうねー」

「うん」

そう言って二人は帰ってしまった。


ということは、この家には蘭君と私の二人だけ!!

私の頭はたちまちパニック状態だ。どうしよう・・。


「帰っちゃったな!」

「帰っちゃったね!」

話が続かない。


「あのさ」

「ん?なに」

もしかして、朝言いかけてたことかな!?

「俺と同じってどういうこと?昨日言ってただろ」

「ああ・・」

なるほど、その事か。

「教えてくれない?」

「ん・・どうしようかなあ~」

「ダメなの?」

「今はちょっと・・蘭君のお母さん、答え知ってるよ!」

「えっ」


今言うのは恥ずかしすぎるよ・・蘭君!





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