来ちゃったー!!
♪ラララ・ラララ・・・。
「お母さんおはよう!」
「おはよう。さてはうまくいったな!」
「えっ・・」
「昨夜のハートマークよ」
「わかっちゃった?」
「ええ、すぐにね!」
「相変わらず鋭いね!お母さんは・・」
「理奈、ところでバレンタインはどうするの?」
「どうって?」
「素敵な彼にあげるんでしょ!」
「うん」
「お母さん、仕事の帰りに材料を買ってこようか!?」
「材料って?」
「決まってるでしょ!手作りチョコの・・」
「手作りかあ・・」
「手伝ってあげるわよ!」
「ホント!」
「市販のチョコレートを使えば、意外と簡単に出来るのよ。挑戦してみる?」
「うん」
手作りチョコかあ・・んん、なんか素敵!それを受け取ったときの蘭君、どんな顔するだろうなあ・・。
「理奈もホントに良かったよね!蘭君みたいな男の子と出会えてさ」
「どうしたのお母さん?」
「女の子同士の友情もいいものだけど、好きな男の子がいるとそれだけでもうhappyじゃない!学校にいくのもウキウキした気持ちになれてさ」
「お母さんも経験ありなの?」
「もちろんよ!お母さんだって理奈と同じ年頃の時があったんだから」
「そうか・・」
「大切にしなさいよ!今の素敵な気持ちを」
「うん」
「そろそろ時間じゃない」
「うん、じゃあ行ってくるね」
「いってらっしゃい」
ありがとう!お母さん。
まだちょっと早かったかなあ・・。
昨日の蘭君のハートマーク、感動しちゃった!ちょっと照れ臭いけど、ありがとうって言わないと・・。
そして蘭君が現れた。いつもよりちょっぴり早い。でもなんでそんなに慌ててるの!?
「あっ!蘭君」
「おはよう理奈ちゃん!急ごう、遅刻する」
遅刻?
「えっ?まだいつもより早いけど・・」
「なに・・」
やっと冷静になった蘭君。いったいなにがあったの?
「蘭君、昨日はありがとうね!」
ちょっと赤面。
「いや、その・・こちらこそどうも!」
こちらこそどうも?蘭君、もしかして緊張してる!?
そんな蘭君がまた素敵よ。
私たちはいつものように学校に向かった。でも少しだけ、お互いを意識しあってるかなあ・・。
「おーい蘭、理奈ちゃん!」
「あっ!和久井くん、おはよう」
「おはよう!」
和久井くんだ!和久井くんって、いつから私のこと名前で呼んでたんだっけ・・。
教室に行くと、蘭君のところに瞳が。
「はい蘭、これ!」
「ん?」
「バレンタイン。明日休みだからさ学校」
「サンキュー」
「あれ?・・おい瞳、俺には」
「なにが?」
「なにがって・・」
「冗談よ!一也のもちゃんとありますよ。ギリだけど」
「一言よけいだよ」
「フフッ」
おもしろいお二人さん。
「理奈は明日渡すんでしょ!蘭に」
「うん、そのつもりよ」
おもいきり愛情をこめて!
「蘭はいいよな!これ義理チョコなんて言われないもんな」
「瞳だってわざと言ってるんだよ!なあ瞳」
「そうなのか?瞳」
「もううるさいなあ!ギリはギリよ」
そう言って瞳は行ってしまった。
「なんだよあの態度!」
「好きの裏返し・・」わかってるでしょ!和久井くんも。
「えっ?!」
「早くもらってこいよ!義理チョコ」
「しょうがねーな・・」
和久井くんファイト!
「相変わらずの迷?コンビだね」
「うん!」
そして帰り道。
「蘭君、今日も図書館でいい?」
「うん・・」
「ただいまー・・お母さん、今日も図書館に行ってくるけど、それからでも間に合うよね!ケーキ」
「うん、材料は買ってきてあるからね!」
「ありがとう」
階段を下りて行くと、そこにはもう蘭君が!
「あっ!蘭君早い・・」
「うん・・理奈ちゃん、今日俺の家で勉強しない?」
「えっ!」蘭君の家!
「俺の・・」
「いいの?」ホントに!
「ああ」
「うん!!」感激!
「行くよ」
「あっ、ちょっと待って蘭君。なんだか緊張するな」
「遠慮しない、遠慮しない!」
「うん」
そして蘭君は家のドアを開けた。
「母さん、理奈ちゃんだよ!」
走ってきたのは翼くん。
「お姉さん、いらっしゃい!」
「こんにちわ翼くん」
そして蘭君のお母さん・・。
「あら!いらっしゃい。待ってたわよ」
「すみません、突然お邪魔して」
「いいのいいの、さあ上がって!」
「はい」
ついに蘭君の家に・・来ちゃったー!!
私の家と間取も大きさも一緒。でも壁紙の色とか、シンクの色とか違うところもいっぱいある。
「蘭の部屋でもいいけど、このリビングのテーブルで勉強したら!二人で出来るでしょ」
「ああ」
「ありがとうございます」
「理奈ちゃんの話は、よく蘭から聞いてるのよ!」
「毎日だよね!」翼くん、それホント?
「そうね」
「私もよく母に蘭君のこと話すんですよ!」
「あらそう!こんなバカ息子のことをね・・」
「母さん・・バカ息子はないだろう」
「あっそうか」
「フフフッ・・」
ここで蘭君は生活してるんだね!ホントは蘭君の部屋も覗いてみたかったけど、それはちょっと図図しいよね!蘭君のお父さんとお母さん、それに翼くんに蘭君。きっと素敵な家庭なんだろうなあ・・!