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えーーーー!!

『エトランゼ』は結構繁盛しているらしい。メニューが豊富でボリューム満点。値段も手頃で味は最高!繁盛しないわけないよね。

そして今日は大晦日。俺と翼と一也は、エトランゼでご飯を食べている。


今日は理奈ちゃんもお店のお手伝い。エプロン姿がよく似合う!

「すみませーん」

「はーい!」

奥の客が理奈ちゃんを呼んでいる。どうやら料理の注文らしい。


表には『アルバイト募集』の張り紙が出ている。高校入試を控える理奈ちゃん、店の手伝いばかりしてられないもんな。


「翼、ハンバーグおいしいか?」

「うんうまい!」

「ピラフも最高だぜ!」

そこに理奈ちゃんがやって来た。

「忙しそうだね理奈ちゃん」

「うん!もうあしがパンパン」

「俺も手伝おうか?」

「いいよ」

「皿洗いぐらいならできると思うけど」

「ホントにいいってば!」

蘭君、お皿なんて洗ったことあるの?


「表にアルバイト募集ってあったけど」

「思ったよりお店が忙しくて。お母さんもなかなか仕事が辞められないみたいだし」

「一也どうだ?アルバイト」

「そうだなあ・・」

「実はもう1人問い合わせがあって、夕方面接だって」

「一足遅かったか」

「どんなひとだろうね?」

「女の人らしいけど」


「あーおいしかった!もうお腹いっぱいだ」

「翼くん、ハンバーグそんなにおいしかった?」

「うん!これ理奈お姉さんのお父さんが作ったの?」

「そうよ」

「すごいなあ、ぼくのお父さんなんか何も作れないもん」

「そうなの、ただ料理をしないだけじゃない?」

「そうなのかなあ」

「今度何か作ってもらったら」

「うん」


「今年も今日で終わりだなあ!蘭」

「ああ」

「来年は高校受験だし」

「和久井くんは○○高校でしょ!」

「うん。理奈ちゃん蘭と一緒の高校にしたんだって」

「うんそうよ」

「蘭、落ちるなよ△△高校。じゃないと理奈ちゃんの立場がないからな!」

「あまりプレッシャーかけるなよ」

「お前は少しぐらいプレッシャーがあった方がいいの!」


プルプル・プルプル

「ん?」

「どうしたの?理奈ちゃん」

「今携帯が鳴ったみたいだったけど・・」

プルプル・プルプル

「ん?」

「どうした?一也」

「俺の携帯も鳴った・・かな?」

プルプル・プルプル

「ん?」

「どうした?蘭」

「俺の携帯も鳴った!」

「えっ!」

3人は一斉に着信履歴を確認した。

『310・・・』

「知らない番号だ!」

「俺もだ」

「ちょっと待って!私もう310・・・よ」

「そういえば俺のも310

・・・だ!」

「3人とも同じ人物から電話が来た」

「しかも同じ時間に」

「どういうことだ?」

「怪しいよな」

「3人に共通の人物・・あっ!」

「理奈ちゃん、心当たりあるの?」

「・・瞳!」

「えっ!?」


後でわかったことだけど、理奈ちゃんの予想通り、発信者はロサンゼルスの瞳だった。


「蘭、イブの日デートしたんだろう?理奈ちゃんと」

「まあーね」

「どこ行ったんだ?」

「アイススケート!」

「それで?」

「それだけだけど」

「・・キスとかしなかったのか!?」・・ドキッ!

「するわけないだろう!」

「怪しいなあ。告白しあったんなら次はキスだろう!」

「そういう一也はどうなんだよ!?そっちだって告白しあったんだろう」

「だからしたさ!」

「した?」

「キスだよ!」

「えーーーー!!」


考えてみると今年は色々なことがあったな。理奈ちゃんが俺たちの学校にやって来て、席は隣で家は上で。

サッカーが上手で投げるボールは豪速球!待ち合わせはいつも外階段。

そして俺は、どこにいても何をしてても、理奈ちゃんの事が気になって・・そして大好きになっていった。

理奈ちゃん、来年もよろしくね!


どっちかというと不安の方が大きかった北海道からの転校。知らない街で、知らない学校で、知らない人たちと生活をする。知らない、知らない、知らないことばかりで・・。

でもいつも隣には蘭君がいてくれたんだよね。そしてどんどんどんどん蘭君を好きになっていった!

蘭君、ありがとう。来年もよろしくね!


ゴーン・ゴーン・・。108つの鐘の音が、年の終わりと年の始まりを告げている。いよいよ平成28年の始まりだ!

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