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素直じゃないな

私たち子供は、結局ひとつの部屋にしてもらうことができた。


「一也、さっき何言おうとしたんだ?」

「えっ?」

「とぼけるな!キャンプファイアの時だよ」

「別に」

「瞳に何か言うことがあったんじゃないのか」

「一也、男ならハッキリ言いなさい!」と瞳に一喝される和久井くん。

「・・留学だよ。前にも言っただろう。俺本気なんだ」

「一也・・」瞳は小さく和久井くんの名前を口にした。

「高校を卒業したらさ、俺絶対にアメリカにいくぜ!」・・頑張れ和久井くん。


「そんなことより蘭、お前こそどさくさに紛れて何してたんだよ!?」

「何って・・」

「お前理奈ちゃんの胸触ってたろう」

「あっ、私も見たわよ!」

「ぼくも見た」

「誤解だよ!誤解、ね理奈ちゃん」

「・・・」さあ、どうかしらね!

「あれ?理奈ちゃん・・」

「触った!」

「えっ!」・・焦ってる焦ってる。

「ほら見ろ!」

「・・なんて嘘よ。蘭君は火の粉を払ってくれたの。ほらここ、穴が開いてるでしょ」

「ありゃホント」

「やけどしなかった?お姉さん」

「うん平気!」

「なんだ、俺はてっきり・・」

てっきりって、和久井くん何ですか?


コンコン

「蘭たち、お風呂に入っちゃいなさい。大きなお風呂だわよ」

「はーい!」


俺たちは一旦中庭を通り大浴場に向かった。

「お風呂ってさ混浴なのか?」和久井くん、それホント!?

「えっ!?混浴」そんなの無理だよー!

「そんなわけないでしょ」

「そうだよな」

「蘭、混浴って何?」

「男の人と女の人が一緒にお風呂に入ること」

「ふーん」


当たり前だけど、やっぱりお風呂は男女別々で。

「じゃあまたあとでな!」

「一也、わかってるでしょうね」

「なんだよ」

「覗くなよ!」

「ちぇっ」・・ふふふっ。


ガラガラガラ

「おっ!結構広いじゃん」

「そうだな」

「わあー、プールみたいだね!」


俺と一也と翼はならんで髪と体を洗った。

「蘭、あのさ」

「ん?」

「お前アソコはえてきた?」

「まあーね」

「俺もはえてきたぞ。見るか?」

「いいよ」

「女の子もさあ・・アソコはえるのかな?」

「はあ・・知るかよ!そんなこと」

「そうだよな。まさか聞くわけにもいかないし」

「当たり前だ」


「よーし翼君、お風呂で泳いじゃおうか!」

「えっいいの?」

「俺たち3人だけだから構わないさ」

「じゃあぼく浮き輪持ってくればよかったな」

「翼、浮き輪はさすがに無理だよ」


そして女子の方は

「わあー広いね!」

「そうね」


「ん?どうかした理奈」

「瞳ってホント胸大きいよね」

「その話か」

「それに比べると私はまだ子供ね」・・あーあっ。

「ところでさ、どんな感じだった?」

「何が?」

「蘭に胸触られたでしょ」

「触られたって・・だからあれは火の粉を・・」

「わかってるわよ。でも触られたのも事実でしょ」

「まあ、そっかなあ」

「それで?」

「ん・・・ビックリしたというか驚いたというか」顔から炎が出そうでした。


「ふーん。ねえ、理奈たちってさ、もうお互いの気持ち伝えあってるんでしょ?!好きだってこと」

「まあ、そうかな・・」

「あーあ羨ましいなあ」

「瞳、和久井くんとはどうなの?好きなんでしょ」

「ん・・好きというかなんというか」

「それにアメリカに留学するって!和久井くん。あれ本気よ」

「何考えてるのか一也のやつ」

「もう、素直じゃないな!」

「そんなことないって」

「言っちゃえば!瞳の気持ち正直にさ」

「・・・」


なんとかしてあげたいなあ。瞳がロサンゼルスに行ってしまう前に・・。


大人たちはラウンジに集まって、何やら話が盛り上がっているようで。


「この度は娘のために、色々とありがとうございました」

「いいえ。瞳ちゃんもそうですけど、大人も大変ですよね、異国での生活となると」

「そうなんですよ。娘よりも私の方がドキドキしちゃって」

「そうよね、子供なんて意外とすんなり溶け込んじゃうのかもね。苦労するのはむしろ大人の方」

「でも今さら後には引けないですからね。思いきり海外生活を楽しんでやろうかなって!」

「そうこなくっちゃ!」

「では、田村さん一家の新生活、大成功を祈願して乾杯といきますか!」

「そうですね」

「乾杯!!」


いっぽう子供たちは


部屋にはすでに布団が敷かれてあった。

「この場合、どういう順番で寝ればいいんだ?」

「私はこっちの一番はじ!」

「じゃあ俺はその隣か・・」

「何でそうなるのよ!一也はあっちの一番はじよ」

「やっぱりね」

「じゃあ私は瞳の隣」


「問題は理奈の隣よね・・」

「私の隣は・・」

「はーい!ぼく」

「あっ翼君ね。それが一番無難かな。じゃあ蘭は一也の隣ね」

「はーい、わかりましたー」

「残念だったな蘭」


布団に入ってからも私達の楽しい会話は続き、いつの間にか眠りについていた。

翼君を挟んですぐそばに蘭君が眠ってる。

おやすみ蘭君。










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