始業式
今日は3学期始業式。
久しぶりに会うせいかみんな各々喋っていた。
もちろん僕も例外ではない。
「僕は受験勉強していたせいで遊びに行かなかったけど…みんなはどこに行ったの?」
もちろん嘘だ、僕は勉強などしていない。
ただ引きこもっていた、そしてみんなから同情してもらうためについた嘘。
「えー、明くんかわいそー!
ユキはねぇ、みーちゃんと買い物したりしたよねー?」
「えっ…ええ、そうね…。
あんな綺麗なところは私なんかに会わないけど……。」
「みーちゃん!そういうこと言っちゃダメ!
みーちゃんだってとーってもかわいいんだから!」
「未来さん、雪さんの言う通りですよ?
僕の彼女にしたいくら…」
「あんたの彼女は私でしょうがぁぁぁ!
バカ岳!!!」
「ちょっ…まっ、待ってくださっ…うわぁ!?」
「ふぅ…本当に女タラシなんだから…。」
「おはようなぁ、って朝から光ちゃん暴れちゃアカンで?」
「あっ、紫苑おはよ。
このバカ岳が悪いんだから!」
「まあ、察しはつくけどなぁ。
でも、岳くんのびて…もう始業式始まるで?」
「そ、そうね…25分になるわね…。」
「えー、もうそんな時間!?
早くしないと怒られる!」
「あっ、じゃあ僕がおんぶして保健室連れてくよ。」
「明じゃなくて私がやったんだから私が!」
「いいよいいよ、みんな先に行って先生に言ってきてよ。」
「ほ、ほら…明君もこう言ってるんだし…早く行きましょうよ…。」
「うん…明、この借りはきっと返すから!」
「ほら、みんなダッシュしないと間に合わなくなるで!
明、それじゃあまたあとでな!」
「うん、またあとで!」
静かになった教室。
床で倒れてる岳をおんぶして僕は保健室に向かった。