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異世界少年物語  作者: 福弥三鈴
幼年期
7/15

一時帰宅

修行始めてから5年経った。僕はかなり成長したみたいで、爺様との組み手も難なくこなせるようになってきた。因みに、爺様は若かりし頃は、武皇と呼ばれた程の実力だったらしい。

ある日、婆様に呼ばれた。

「颯夜、あれから5年経ったわ。思った以上の成果で感心よ。だから、ご褒美として、一時帰宅を許可するわ。家族との触れ合いも大事だからね。」

「ありがとうございます、婆様や爺様のおかげです。」

「貴方の努力あってこそよ。それで、期間は一週間よ。」

「ありがとうございます。」

「早速準備なさい。準備出来たら伝えなさい。」

「はい、承知致しました。」

今回の修行では、何も起こらない、ということはなく、生命の危険もあったし、僕自身の中に宿している悪魔王、悪魔達の力に支配されかけた事もあった。

僕は手早く準備を済ませる。

「一時帰宅だってさ、桜。君には初めての本家となるわけだね。」

「はい、初めてのご主人様の自宅になります。」

「まぁ、心配要らないよ。皆、優しいからね。」

「それはありがたい事です。」

「婆様をお待たせするといけないから行こうか?」

「はい、行きましょう。」

「後、これから、名前で呼んでね?」

「はい、じゃあ、颯夜様、とお呼びさせて頂きます。」

「じゃあ、それでいいよ。」

桜は、後々に語るけれども、僕の修行の一環として召喚・契約した使い魔で、容姿は焦げ茶色の髪を首が隠れる位迄伸ばした女の子で、年齢は僕より2つ下の設定。

「婆様、爺様、お待たせしました。」

「大丈夫よ。それじゃあ、準備はよろしいかしら?」

「はい、大丈夫です。」

空間転移(テレポート)!」

僕らは、こちらに来た時と同様に魔法陣に包まれ、一瞬後には5年前と代わり映えしない実家の景色に変わった。

「早速、息子達に挨拶して来なさいね、心配していたはずだからね。今度は一週間後よ。せいぜい羽根を伸ばしなさい。また、2年位ご無沙汰になるからね。」

「はい、ありがとうございます。桜、早速、行こうか?」

「はい、颯夜様、行きましょう。」

一時帰宅、有効に過ごさなきゃ、ね?


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