5歳
この世界に生まれ落ちて、2年程経つとようやく歩けるようになり、この世界について勉強するため、父や爺の書斎に連日通うようになっていた。後に知る事になるけど、爺は爺と気安く呼べる存在じゃなかったが、そう呼んでいた。婆の方が凄いらしいけど、僕は露とも知らず通い続けた、やたら、隠密や暗殺、護衛術、魔方陣に関しての書物が多かった。
そして、3年が経過し、僕は5歳になっすた。僕は、竹刀を握るようになり、父や爺、5歳・10歳離れた兄と稽古するようになっていた。
とある日、僕は書斎に呼ばれた。婆様が用があるらしいとのことであった。トントン、
「失礼致します。颯夜です。」
「お入りなさい。」
僕は書斎に入った。
「何かご用でしょうか?」
「颯夜、貴方には伝えておかなければいけない事があります。」
「伝えておかなければいけない事ですか?」
「貴方には悪魔の魂が宿っているの、それも強大な、魔王に匹敵する。私でも及ばない程のね。」
「そうなんですか…?魔女王と呼ばれた、婆様でもですか?」「今のままでは貴方が悪魔の力に呑み込まれてしまうわ。そして、最悪、人類、いえ全ての生きとし生ける物を滅ぼしてしまうわ。」
「…、それではどうしたらよろしいのでしょうか?」
これが真実であれば、重大なことじゃないか、神様は宣ってなかった。
「貴方には、当分修行して貰うわ、強大になっていく力をコントロールできるように、勿論、貴方自身にも強くなって貰うためにもね。主人と私で厳しく鍛えさせて貰うわ、これは決定事項で貴方には、拒否権は無いの。いい?」
「承知致しました。」
「明日には早速発つし、家族には当分会えないから後悔の無いようになさい。」
「はい、ありがとうございます、婆様!」




