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無題  作者: さちはら一紗
招かれざる 訪問者
39/75

幼馴染という 存在

三章プロローグ


『幼馴染』


それは、今も昔も砂糖無しでは語ることの出来ないジャンルだ。


恋愛シュミレーションゲームにおいて、幼馴染は必ずと言っていいほど攻略対象キャラクターである。美少女、又はイケメンの幼馴染に、憧れた人は多いだろう。


恋愛小説でもよく取り扱われる幼馴染枠だが、その活躍の場は恋愛だとは限らない。

ファンタジー、SF、ミステリー……ジャンルを問わず、幼馴染という存在は美味しい位置を占めている。時には敵となり、主人公と相対するのも魅力だろう。


要するに、幼馴染ヤバイ、幼馴染ぱない、幼馴染スゲえ、とあたしは言いたいわけだ。




―――ただし、それは全て、二次元での話である。


 『砂糖無しでは語れない』


 それが二次元においての幼馴染の法則ならば、


 『辛酸無しでは語れない』


 これが三次元(あたし)の法則だったのだから。



 このあたし、佐倉ルイの黒歴史を網羅し、完璧に脳内保存するにも飽き足らず、常にトラブルの原因であったあいつのことを、あたしは生涯忘れることはないだろう。


 白井一希(しらいかずき)


 希望の象徴であり、絶望の可能性。

 これはそんな面倒くさい人間と、厄介な人たちの物語。



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