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幼馴染のきみと  作者: サワベリカ
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短編集

おまけエピソード①:新婚の朝、甘い「上書き」

結婚して数ヶ月。二人の朝は、かつての「幼なじみ」の頃とは違う、くすぐったい空気に包まれていました。


キッチンで日和が朝食の支度をしていると、背後から大きな体温が重なってきました。


「……ん、日和……おはよ」 まだ寝ぼけ眼の遙斗が、日和の腰に腕を回して、肩に顎を乗せます。


「ちょっと、遙斗、危ないわよ。今お味噌汁作ってるんだから」


「……いいじゃん、減るもんじゃないし。……なんかさ、毎日こうして日和が隣にいるの、いまだに夢みたいなんだよ」


遙斗はそう言って、日和の首筋に小さく顔を埋めました。


「ずっと昔の約束、本当に叶っちゃったんだな」


「……そうね。そして、これからは、毎日新しい約束を積み重ねていくのよ」


日和が振り返って、遙斗の頬を優しく包みます。


「今日の約束は、夕飯までにお肉を買ってくること。いい?」


「……了解。その代わり、帰ってきたらまたギュッとして」 新婚の朝は、いつまで経っても朝食が進まないほど、甘い空気に満ちていました。


おまけエピソード②:女子会(月菜×さらな)のぶっちゃけトーク

結婚式の二次会が終わった後の、夜のバー。そこには、新婦の親友・月菜と、元ライバルのさらなの姿がありました。


「……はぁー、やっと結婚したわね、あのバカカップル」


月菜がカクテルを飲み干しながら、呆れたようにため息をつきます。


「本当。あんなに時間かけるなんて、効率悪すぎ。私が途中で奪い取らなくて正解だったわ」 さらなは相変わらず不敵に笑いながら、髪をかき上げました。


「さらなちゃん、あの時は結構本気で攻めてたじゃない」


「……ま、ね。でも、あの遙斗くんの『鉄壁』ぶりを見たら、入る隙なんて最初からなかったのよ。あの子たちの絆、ちょっと異常だもん」


「本当よね。……でも、あんたがあの時意地悪言って焚きつけたから、日和も覚悟決めたのよ。感謝してるわ」


「……別に、あんたに感謝される筋合いはないわよ」


さらなは少し顔を赤らめてそっぽを向きましたが、その手には月菜が送った「二人の誓いのキス」の動画が、大切に保存されたままでした。


おまけエピソード③:10年前の、小さな決意

それは、二人があの桜の下で指切りをした、10年前の夕暮れのこと。 「また明日ね、遙斗くん!」 日和が元気に手を振って帰っていくのを見送った後、幼い遙斗は一人、その場に立ち尽くしていました。


(……けっこん、するって言った。日和と、約束した……!)


顔が火が出るほど熱く、心臓がバクバクといっています。遙斗は震える手で、二人で書いた『けっこんします』の画用紙を、宝物のように胸に抱きしめました。


「絶対……絶対わすれないぞ。おれ、絶対にかっこよくなって、日和のお婿さんになるんだ!」


誰もいない公園で、小さな遙斗は「よしっ!」と力いっぱいガッツポーズをしました。 その夜、彼は一番大切にしていたおもちゃの缶の中に、その画用紙を丁寧に畳んで隠しました。


大人になった遙斗が、そのボロボロになった紙を日和に見せるまで――彼は一晩たりとも、その決意を忘れたことはなかったのでした。

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