第一話 桜の下のプロポーズ
柔らかな朝日が差し込む、ある日の朝のこと。 幼なじみの遙斗は、遠くに日和の姿を見つけるなり、弾けるような笑顔で駆け寄っていきました。
「日和!」
「遙斗くん! おはよう!」
いつものように挨拶を交わす二人。 遙斗は日和の顔をじっと覗き込むと、照れもせずに言いました。
「きょうもかわいいね!」
真っ直ぐすぎる言葉に、日和は少し頬を赤くします。
「え? そうかなぁ〜。ありがとぉ〜!」
わざとおどけて返す日和に、遙斗は少しだけ不満げに笑いました。
「ぜったい信じてないじゃん!」
「ふふっ。遙斗くんも、世界で一番かっこいいよ!」
日和がそう返した瞬間、遙斗の瞳から幼さが消え、真剣な眼差しが彼女を捉えました。
「日和、今から言うこと……真剣に答えてくれる?」
「うん」
少し緊張した空気が流れる中、遙斗は心に決めていた言葉を口にしました。
「おれ、大人になったら日和と結婚する!」
「けっこん?」と首をかしげる日和に、遙斗は一生懸命に言葉を続けます。 大人になってもずっと一緒に笑って、幸せに暮らすこと。 その熱意に引き込まれるように、日和は満面の笑みで答えました。
「うん! そうだね!」
その瞬間、遙斗は胸の高鳴りを止められなくなりました。
「……っ。な、なんでもないよ」
顔を赤らめて動揺を隠す遙斗。 それは、幼い二人が交わした、純粋すぎる約束でした。




