なんか跪かれてます!え!?なんで!?
「ラッキー!
あの子が無意識でも僕の権能を使ってくれたおかげで、いつでも向こうに行けるようになったよー」
「そう、なら彼女が来たら行きましょうか」
私は今、ものすごく困惑してる。
なんでいきなり跪いてるの?
「え、えっと……」
こうゆう時って、なんて声をかければいいんだろう?
リエちゃんに聞こうかな。
いや、こうゆうのは自分で考えないと。
でも、ほんとにどうしよう。
そう考えていたら、ウッディールから話しかけてきた。
「1つ、質問をしてもよろしいでしょうか?」
「え、あ、うん、いいよ」
いきなり話しかけてきたからびっくりした。
返事も変な感じになっちゃったし。
あと、なんかウッダオルテがウッディールを見てる……かな?
なんとなくウッディールに視線がいってる気がする。
でも、それは置いといて今はウッディールの質問に集中しないと。
「貴女様の御名前を教えて頂けますでしょうか?」
「……私は大森桜だよ」
すごい丁寧に聞いてきたから、びっくりして固まっちゃった。
そんなに丁寧に話さなくてもいいのに。
「サクラ様」
「なに?」
ウッディールがまた話しかけてきた。
返事をするとウッディールは深呼吸をし始めた。
何を言おうとしてるのかな?
一度深呼吸するほどのことなの?
聞くのが怖くなってきたなぁ。
そう思っているとウッディールは深呼吸を終えて口を開く。
「私、ウッディールは貴女様に以後永遠の忠誠を捧げます」
「え!?」
忠誠を捧げるって、なんでそうなったの!?
私まだ何もしてないのに!
「ずるいぞウッディール!
サクラ様、このウッダオルテも永遠の忠誠を捧げます」
「え?え!?」
ウッダオルテもなの!?
とゆうか二人とも永遠って、ほんとに何もしてないのにそこまでになるの?
『やっぱりこうなったわね』
リエちゃんどうゆうこと?
『ハイエルフは多かれ少なかれ植物に愛されるのよ。
サクラは特に愛せれているみたいだから、無条件で仕えたいと思った見たいよ』
そうなんだぁ、いきなりだったから混乱してたけど、理由がわかってちょっと落ち着いた。
つまり種族的な特性みたいな感じか~。
『……それだけじゃないでしょうけど』ボソッ
リエちゃん、なにか言った?
『なんでもないわ、独り言よ』
そっか~。
そういえば、二人からの忠誠って受け取った方がいいのかな?
『私は受け取った方がいいと思うわ。
でも、決めるのは貴女よ』
それは分かってるよ。
私は受け取りたいけど、リエちゃんが反対だったらどうしようって思って聞いただけだから。
『そうなのね、私のことも考えてもらえて嬉しいわ。
でも、サクラの自由にしてもらってもいいのよ』
分かった。
あ、でも、相談くらいはしてもいい?
『ええ、もちろんよ』
よかった。
よし、じゃあ早速二人に伝えないと。
そう思いながら二人を見てみると、目線だけで睨みあってた。
なんで睨みあってるんだろう?
私が見てることに気づいてないみたい。
一度咳払いをした方がいいかな?
「んんっ」
咳ばらいをすると、二人はハッとして、視線を私に向ける。
いざ言おうとなると、ちょっと緊張するな~、しかも二人とも不安そうな顔してるし。
別に睨みあってたからって怒らないのに。
あと、なんかものすごい視線を感じる。
「えっと、二人……というか皆の忠誠はちゃんと受け取るね」
そう言うと、白いふわふわとした湯気のようなものを体から出しながら固まった。
二人とも固まっちゃった。
でも、幸せオーラが出てるし、何より二人ともにやけてるから嬉しそう。
そういえば、周りの植物達にも意思があるんだね、二人って言ったときに視線が強くなったし。
今も、風が特に吹いていないのに揺れてるから。
にしてもほんとにうれしそうだな~。
そう二人を見ていたらウッディールが話しかけてきた。
「あの、何かありましたか?」
「何もないよ。
ただ、嬉しそうだな~って」
「そんなに分かりやすかったでしょうか」
「うん、だって顔がすごいにやけてるもん」
そう言うと、ウッディールは自身の口元に手を当てて驚いていた。
驚いたってことは無意識ににやけてたんだ。
幸せオーラもさっきより多くなってるし。
「それに幸せオーラが見えてるし」
「幸せオーラですか?」
「わらちゃんから教えてもらったものなんだけど、生物が幸福を感じているときに見えるオーラなんだって」
「そうなのですか」
幸せオーラに関してはよくわかってなさそう。
でも、幸せオーラ出てるしいっか。
……もうわらちゃんたちと会えないのかな?
そんなことはないよね。
わらちゃんもて、らちゃんも、よみちゃんも、私がどこにいても会いに行くって言ってたし。
だから今は目の前のことに集中しないと。
だから早速、二人を案内しないとね。
「それじゃあ、そろそろここの案内をしたいんだけどいいかな?」
「はい、かまいません」
「ウッダオルテもいい?」
「……はっ、はい!」
ウッダオルテにも聞くと慌てて返事をする。
今までずっと嬉しさで固まってたんだね。
二人の返事を聞いた後、私は歩き出し、二人はその私についてきた。
その後色々なところを案内した。
と言っても二か所だけなのだが。
屋敷──
「ここが私の家だよ」
「この大きさだと家ではなく屋敷では?」
「そうとも言うね。
だけど部屋の数は少ないよ」
「その分部屋が広いじゃないですか」
畑──
「ここが畑だよ」
「色々な野菜や果物が植えてあるようですね」
「よくわかったね」
「「私達は植物の精霊ですから」」
「そういえば、気になったのですが、小麦がないのはなぜですか」
「あ、忘れてた」
という感じで案内をした。
すっかり小麦のことを忘れてたよね。
ウッダオルテのおかげで助かったよ。
あ、そういえば、二人の住むところってどうしよう?
「二人はどこに住みたいとかあるの?」
そう聞くと二人は見合って返事をする。
「私達は別にどこでもかまいません」
「無くてもかまいませんし」
いや、さすがにないのはダメだよ。
どこでもいいって言われると迷うよね。
しかも樹精霊はこれから増えそうだから一人ひとり創るってなるとちょっと大変だし、なくていいというのも……。
「やっぱり家があった方がいいよね」
そうして、私は家……寮のようなものを想像する。
すると光の粒子がどんどんと形作っていき、しばらくすると木造の三階建ての大きな建物ができた。
「サクラ様この建物は……」
ウッディールが驚きながらも聞いてきた。
ウッダオルテは驚きで固まってる。
「貴女達樹精霊の家だよ」
「私たちの家ですか……。
サクラ様の屋敷よりも大きいのですがよろしいのですか?」
「建物は大きいけど、これから生まれてくる樹精霊達のことも考えて部屋の数を多くして狭くしてるから気にしな気にしなくていいよ。
中が気になるなら見てみる?」
「……いえ、今は遠慮しておきます。
日の傾き的にそろそろ夕食にした方がいいでしょうから」
「たしかにお腹がすいてきたかも」
時間は夕方、そう考えると今日はまだキュウリしか食べてないじゃん。
「じゃあご飯にしよっか」
ということで戻ってきた我が家。
早速調理場に入り料理を作ろうとしたら、二人に止められた。
なんでも、主である私に料理をさせたくないとのこと。
「二人は料理できるの?」
二人してそっぽ向かれた。
しょうがないか~。
「じゃあ私が教えるから一緒に作ろ?」
そう言うと二人は目を輝かせて私を見ていた。
その後のことは言いたくないな~。
一つだけ言えることは二人とも料理が絶望的に下手だったってこと。
このことを二人に言ったらすごく落ち込んでた。
まあ、その話は置いといて。
その後は、ご飯を食べて、お風呂に入って、二人は寮にに戻っていった。
今日は長いようで短い一日だったな~。
明日はどんなことがあるのかな?
『サクラ、一ついいかしら』
どうしたのリエちゃん?
『今日、貴女が寝たときに貴女の体を借りてもいいかしら』
全然いいよ。
あ、でも、危ないことはしないでね。
『ええ、分かっているわ。
おやすみサクラ』
うん、おやすみリエちゃん。
そうして私は布団の中に入り眠りについた。
「そういえば、なんで二人はメイド服と執事服なの?」
「確かに」
「何故なんでしょう?」
『多分サクラの知識からだと思うわよ』
え!?