魔法と家を創ります!
『では、次に切り株を処理していきます』
はい。
『今更ですが、敬語でなくてもいいんですよ』
じゃあリエちゃんも敬語なしで喋って!
『リエ……ちゃん……』
もしかして、ちゃん呼びダメだった?
『いえ……そういうわけではなく……初めてそう呼ばれたので』
そっかー。
あと敬語くずして!
『わ、分かったわ』
で、切り株は魔法でどうにかするんでしょ?
『えぇ、そうよ』
でも魔法使えないよ?
『そこは【創造の力】で魔法を新たに創るのよ。
そうすればいつでも使えるようになるから』
もう何でもありじゃん。
『流石に命あるものは創造できないけれども、大抵は創造出来るわね』
それでもだよ……で、どんなことを思い浮かべればいいの?
『その魔法の名前と魔法を発動させたときに起こる事象を具体的に思い浮かべてちょうだい』
具体的に?
『例えば火球という魔法があるんだけど』
定番の魔法だ!
『名前でどんな感じの魔法かがわかるじゃない?』
火の球を出す魔法でしょ?
『そうよ。
これはどんな魔法かを使い手に解らせるという意味があるから名前は具体的に。
起こる事象に関しては言わずもがなね』
何が起こるのかはちゃんとしないとダメだからねー。
『そうね。
で、今から魔法を創造してもらうわけだけど、切り株は後で使うから残しておいてちょうだいね』
了解!
じゃあ早速……
「”削り上げる竜巻”」
そう思い浮かべていた名前を唱えると、光の粒子が魔法陣のような形に集まり消える。
すると、切り株一つ一つの周りに竜巻が発生して地面を削りながら切り株を掘り出し、空に投げ上げた。
このままだと纏めるのがめんどくさいから……
「”荷運びの風”」
と、唱えると、また光の粒子が集まり消える。
すると、バラバラに投げ上げられた切り株は空中で一ヶ所に集まり、そこでとどまる。
下ろすのは地面を平らにしてからで……
「”平らな大地”」
と、唱えると、またまた光の粒子が集まり消える。
すると、削り上げる竜巻でデコボコになった地面が平らになった。
そして、その上に切り株を下ろす。
…………魔法ってすごい!
『三つ目の魔法は用途が限定的じゃない?』
あ……たしかに!まあ、でもいいじゃん!
『貴女がいいならいいのだけど……とりあえず家を建てるわよ』
うん!
『どんな感じの家にしたいの?』
こんな感じ!
すると光の粒子が平らにした場所の中心に集まっていき、思い浮かべてた形に徐々になっていき、光が晴れ姿を現す。
『これは……家ではなく屋敷では?』
そうだよ。
始めから大きいのを建てれば後から増築するよりもいいでしょ。
それに広いのに越したことはないし。
『だとしても管理はどうするの?』
そうゆう魔法を創ればいいかなって。
それより内装を創ろうよ。
『内装も一緒に想像してないのね?
…………取りあえずわかったわ』
削り上げる竜巻
対象の周囲に竜巻を発生させ、地面を削り取りながら対象を巻き上げる風魔法。
荷運びの風
風を操り対象を運ぶ風魔法。対象を自身にすることで空を飛ぶ事も可能。
平らな大地
地面を平らにする、ただそれだけの土魔法。