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(暫定)偽物の正体

 岩の壁の中から出てきた後、ウッディールは私の方に、ウッダオルテは気絶してる娘の方に歩いて行った。


「サクラ様、御怪我はありませんでしたか?」


「うん、二人は大丈夫?」


 私は怪我はないけど、ウッディールたちはさっきまで戦っていたから怪我がないか心配だからね。


「はい。

 しかし、申し訳ありません。

 見苦しいところをお見せしてしまって」


「ううん、そんなことないよ。

 二人ともカッコよかったよ」


「……そうですか、ありがとうございます」


「サクラ様」


 お礼を言いながら笑顔で頭を下げるウッディール。

 さっきまで少し暗い顔だったからそれが晴れてよかった。

 そう思っているとウッダオルテが私を呼ぶ。

 そうしてウッダオルテの方を見てみると、木の根っこみたいなものでぐるぐる巻きにされている気絶している子を担いで私の方に歩いてきていた。


「どうしたの?」


()()はいかがいたしましょう?」


 そう言いながら、担いでいた娘をドサッと地面に落とす。

 もうちょっと丁寧にしてあげる方がいいと思うけど……。


「起きたら色々聞きたいかな。

 この娘のこと何も知らないからね。

 私の名前知ってたのも気になるし」


 ウッダオルテと話している時、ずっと私に撫でられながらているわらちゃんは、ウッダオルテに担がれていた娘を見て何かに気付いたように「……あ」とつぶやいた。


「わらちゃんどうしたの?」


「……さくらちゃん、なかがよかったたぬきって、いる?」


 わらちゃんからの質問に撫でながら思い出してみる。


 タヌキ……タヌキ……うーん、実家の近くに山があったから野生の鹿とか熊は結構見たことはあるけど……タヌキかぁ。

 キツネだったら実家の畑によく来てたけど……

 あ、そういえば小さいころ、実家の縁側に居るといつもタヌキの子どもが膝の上に載ってきて、その子にポンちゃんって名前を付けたっけ。

 高校生になって上京してからは、なかなか実家に帰れてなくて、帰れたとしても会えなかったからな~。

 元気にしてたのかな?


「……昔、実家によく来てた子がいたよ」


「……たぶん、そのこはこのこだとおもう」


「え!?」


 嘘!?って言いたいけど、わらちゃんたちのことがあるから本当かもしれない。


「……このこ、たぶん、ばけだぬきいちぞく。

 ……それに、しんかくももってるから、ながいきするよ」


 知らない単語がいっぱい出てきた。

 いや、言葉では知ってるけど詳しいことは知らないから。


「あぁ、道理で」


「だからあのような言動を……」


 なんか二人納得してるし。

 だけど、ウッダオルテは渋い顔してるし、どんな言動してたんだろう?


 そんなことを思っていると、後ろから私達に近づいてくる足音が聞こえ、振り返って見てみるとてらちゃん達が歩いて来ていた。

 でも、二人ともなんか疲れてる気がする。


「こっちにさっきのメイドの子、来なかった?」


「……ううん、きてないよ」


「そう……はぁ、逃げられたわね」


「逃げられたって、ご飯に呼びに来たウッディール?」


「えぇ、案の定偽物でしたが」


 やっぱり偽物だったんだ。

 あれ?でも、偽物って言ったら……


「この娘のことじゃないの?」


 まだ気絶してる娘を指さしながら聞く。


「違うわね」


 この娘以外にも偽物いたんだ。


「この娘が目を覚ましたら聞きたいことが増えちゃったね」


 気絶してる娘をしゃがみながら見てみると、ゆっくりと目を開けて目を覚ましていた。


「あ、起きた」


「?……!桜……ちゃ……ん……」


 最初は目が覚めたばっかだったからか今の状況を分かってなかったっぽいけど、私を見たとき思い出したのか、元気な声で私の名前を呼ぼうとしてたけど、徐々に青ざめていって声も小さくなっていく。


「さて、いろいろと聞かせてもらおうかしら?」


「ひゃ、ひゃい……」


 いつの間にか後ろにいたてらちゃんが、少し圧をかけながら話しかける。

 話しかけられた娘の顔は真っ青になっていて、あんまり舌も回ってないみたい。

 まあ、怖いよね、圧をかけてるてらちゃんって。

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