ほんの僅かに目覚めし存在 リエ視点
周りから一瞬で迫ってくる刀を空に飛んで避ける。
しかし、刀は軌道を変え再び私を貫こうと迫ってくる。
それらを避けながらふとアマテラス達の方を見てみると、ザシキワラシが鈴を鳴らしながら舞っていて、それをツクヨミが守っており、アマテラスは何もせずにただ私を見ていた。
何をしているのかしら?
そう疑問に思った瞬間、透明な何かが私に向かってきて、それを避ける。
「チッ、なんで避けれるんだよ」
舞いながらもそうこぼし、再び透明な何かを放ってくる。
それも避け続けているとツクヨミが話しかけてくる。
「避けてばかりではなく、少しは抵抗でもしたらどうだ?」
「この体は借り物だから傷つけるわけにはいかないから」
この体はサクラのものだからというのもあるけれど、サクラにも「危ないことはしないで」と言われているからね。
それに、抵抗するための力はまだ使えない。
使おうと思えば使えるけれど、前みたいにこの体が崩壊してしまうから使いたくない。
だからこそ抵抗せずに避けることしかしないの。
「安心するといい、我の刀は肉体は傷つけない」
肉体は、ね。
つまりは肉体以外、魂も傷つけることが出来るということね。
あまり当たりたくはないわね。
そう思いながらも避けていると一本の刀が私の頬をかすめるが、痛みを感じない。
そのことに疑問を抱きながら確認のために頬に触れようとするが指一本も動かせないことに気付く。
動けない……これがかすめた影響なの?
そうでなくともこの状況では避けることが出来ない。
かなり不味い状況ね……。
「やっとあきらめた~?」
「そのようだな」
私がその場から動かない様子を見て二人は、刀や透明な何かを私の周りに配置し、放ってくる。
四方八方から迫ってくるそれらを避けることが出来ずにそのまま貫かれると思った瞬間、私はアマテラス達の背後にいた。
三人は驚いて振り返るが、私も驚いている。
私がもともといた場所を見てみると、紫色や青色の沢山の蝶が人の形に集まっていた。
そこで私は、サクラが起きている時と同じ視点になっていることに気が付く。
改めて今の姿を見てみると、飲み込まれるような白色だった両目と線は吸い込まれるような黒色に、髪の黄金色だったところが灰色に染まっていた。
サクラでも私でもない瞳の色……いったい何が表に出ているというの?
そう思っているとアマテラスがこの体の額に触れる。
「あの幽死蝶……お主が出てこれるということは、その体は桜のか。
出て来て早々で悪いのじゃが、再び眠ってくれ」
そう言われるとこの体は頷き、再び私が表に引き戻された。
「今のは……」
「それを教えてやってもよいぞ?」
呟いたのをアマテラスに聞こえていたらしい。
「是非教えてほしいわね」
「そうか。
じゃが教える前に妾の質問に三つ答えてもらうぞ?」
「ええ、いいわよ」
先ほど体の所有権を握っていた何かがサクラに危険がないか知りたいしね。
「まず一つ目、その体は桜のか?」
「そうよ」
この体は桜のもの、決して私の者じゃない。
私は今、サクラの体に居候させてもらっているのだから。
「そうか、まあ彼奴が出てこれる時点で察してはいたが。
では二つ目、桜は望んでこの世界で生きることにしたのか?」
「最初に連れてきたのは強制だけど、転生を選んだのはあの子よ」
あの時私は転生を提案したのだけど、サクラは即答していたからね。
「嘘はついてなさそうじゃな。
最後に三つ目、桜は今、幸せか?」
「……私には分からないわ。
ただ、色々困惑してたこともあったけれど楽しそうだったわよ?」
幸せかどうかは本人にしか分からない。
だけど、私から見たら楽しそうだったのも事実。
それでも困惑はしてたわね……私も。
「そうか……。
次は妾の番じゃな。
じゃが本題に入る前に、妾らと桜の関係を話そう。
その方が分かりやすいじゃろうからな」
「最初は気まぐれじゃった」からアマテラスは話始め、サクラとアマテラス達の関係を知ることになる。
「……中にいたのは誰だ?」




