BULLET-67:行きましょうか
更新が遅くなってしまい申し訳ありません。
先行していた分に追いついてしまい、今後は更新が不定期になると思います。
安定するまで少し時間が掛かるかと思いますが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
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「うう、もう、勘弁して、下さい。。」
2人が居なくなったあと、アアカッタは涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を下げ、額を地面にこすりつけて謝った。
もう完全に心が折れていた。
「ごべ、なじゃい。。」
もうなりふり構わず謝る事しか出来なかった。
母、ヌットミエをここまで怒らせたのはいつ以来だろうか?
そんな事を考えていたら、
「まぁいいわ、これくらいにしておきましょう。」
ヌットミエが声を和らげ、そう言った。
やっと開放された、と思っていたら、
「それじゃ、ちょっと付き合ってもらいましょうか。」
ヌットミエが悪い顔でそう告げた。
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「ごべ、なじゃい。。」
必死に謝る娘、アアカッタの様子に、
『あらあら、ちょっとやり過ぎてしまったかしらね。』
ヌットミエの怒りがなんとか治まったようだ。
『うーん、これはちょっとよろしくないですね。』
アアカッタは顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにし、足の下には黄色い水たまりを作っている。
『さすがに水たまりは。。』
これはかなりヤバいと思ったのか、
「まぁいいわ、これくらいにしておきましょう。」
優しく声を掛けた。
けれど、この姿のままのアアカッタと街に戻るのも、と考えていたら、
「それじゃ、ちょっと付き合ってもらいましょうか。」
ふと、いい事を思い付いた。
「はい。。」
力なく返事するアアカッタに、
「水の精霊に願う、この者を濡らしめる力をお貸し下さい。
【玉】、水落とし!」
水の精霊魔法で作った水の玉を落とした。
ばっしゃ~ん
全身ずぶ濡れになってぽかんとしているアアカッタの足の下の方を指さして、
「これなら、”ソレ”がわからなくなったでしょ。」
そう言った。
「え、や、そ、、はい。。」
顔を真っ赤にして何か言おうとしたアアカッタは、うつむきぽそっと返事した。
「それじゃ行きましょうか。
さ、立って。」
手を差し出してアアカッタを立たせると、
「どこ、いくの?」
不安そうな表情で問いかけられた。
「プムリムポポンのところよ。」
ヌットミエが答えると、
「え、マジで。」
アアカッタがちょっと元気になった。
「あ、そうだわ。」
ヌットミエが何かを思い付き、
ぴ~っ!
と口笛を吹くと1羽の鳥が飛んできて、差し出した手の甲に止まった。
その鳥に何かを伝え、
「それじゃ、お願いしますね。」
声を掛けると、飛び立っていった。
「それじゃ、行きましょうか。
風の精霊に願う、我らを運ぶ力をお貸し下さい。
【翔】、風運び!」
2人は、ヌットミエが発生させた風に包まれ、空へと舞い上がった。
如何でしたか?
ヌットミエは何をしようとしているのか?
そして何処へ向かったのか?
察しのいい方は分かったのではないかと。
次回もお楽しみに。




