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BULLET-41:ハッピードラゴン

ドラゴンの討伐を依頼されたまんまるたち。

引き受ける、の?

どうなるのか、楽しんで頂けたら嬉しいです。

 □■□


 報酬の袋の中を見たルゥーアは、


『うわぁ、銀硬貨がいっぱいです、ほぉ。』


 自分の世界に入ってしまった。


『こんなにあったら、村で豪遊できちゃうです、ほぉ。

 あああ、何を買ったらいいです、ほぉ。

 迷っちゃうです、ほぉ。』


 とかトリップしているけれど、これくらい量ならちょっと大きな街に行けばすぐに使い切ってしまう程度なのだ。

 初めて村から出て、旅をしているルゥーアには(はか)り知れない事だけど。


「わかった、聞くって。

 で、どんな依頼なんや?」


 妄想トリップしているルゥーアの耳にようやく、まんまるとヌットミエの会話が割りこんできた。


「ただの討伐です。」


『討伐、ほぉ?』


「討伐ねぇ。

 んで、何の討伐なん?」


「ドラゴンです。」


 その言葉でルゥーアのボケていた頭が、


「ドドドドド、ドラゴンです、ほぉ!?」


 現実に戻って、働きだした。

 突然、大声を上げたルゥーアに、


「お、動き出したんか。」


 まんまるが声を掛けてきた。


「あのあのあの、ほんとにドラゴンの討伐するんです、ほぉ?」


 ルゥーアが問い掛けると、


「それな、どうしょうかと思ててん。

 ルゥーアはどしたらええって思う?」


 逆に問い返され、


「無理無理無理無理無理、そんなの絶対無理です、ほぉ!?」


 全力で拒絶した。


「ドラゴン、そんなヤバいん?」


「あんなの倒せるわけないです、ほぉ。」


「だ、そうやけど。」


 ルゥーアの言葉を聞いて、まんまるがヌットミエに問い掛けた。


「普通に考えれば、そうなりますよね。」


 ヌットミエが悪びれずに答えた。


「ん、わかった。

 依頼は受けへんって事で。

 ほな、ルゥーア行こか。」


 そう言いいながら、ルゥーアの方を向いたまんまるがウィンクしているのに気付いた。

 なにか考えがあるのだと察し、


「はい、ほぉ。」


 返事して、まんまるに付いていこうとしたら、


「お願いします。

 話だけでも聞いてやって下さーい。」


 芝居がかった土下座でヌットミエが頭を床にこすりつける振りをして、お願いしてきた。


「どうする、ルゥーア?」


 まんまるの問い掛けに、


「話くらいなら、聞いてもいいです、ほぉ。」


 少し言い(よど)みながらも、ルゥーアが好意的に返した。


 「あああ、ありがとうございますぅ。」


 ぶんぶん


 ヌットミエがお礼と共に、手を握ってぶんぶんと振った。

 そして、


「ドラゴンといってもいろいろな種類がありまして。」


 話始めた。


「それは古竜や爆竜のような大型のドラゴンは無理ですが、今回の依頼は"ハッピードラゴン"という亜種です。」


 それに真っ先に反応したのは、


「"ハッピードラゴン"って言いましたのよ?」


 もふぃだった。


「なんや、もふぃ、知ってんの?」


「"ハッピードラゴン"はたしかに見た目は小型のドラゴンよ。

 倒せなくはないんだけど、ちょっと危険なのよね。」


「危険、なのですか?

 そんな情報はなかったはずですが。」


 ヌットミエが驚きの表情で問い掛けると、


「そうね、これはほとんど知られていない情報よ。

 "ハッピードラゴン"はそれほど強くはないのだけれど、ブレスに特殊な効果があるのよ。

 それは、、。」


「そ、それは?」


 言葉を重ねるヌットミエ、間を置くもふぃ。


「ほ、ほぉ。」


 なんかよくわかっていないルゥーア。


「さっさと言わんかい!」


 まんまるに突っ込まれ、


「ブレスを()びると"頭の中がお花畑(ハッピー)"になってしまうのよ!」


 もふぃが声を大にして言い放った。

如何でしたか?

謎のハッピードラゴン。

ブレスの効果がヤバい。

そんなのの討伐依頼を受ける、事になるのか?

次回は明日の零時に更新の予定です。

よろしくお願いします。

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