BULLET-33:タカは飛んでった
目を覚ましたタカ人族の少女アアカッタ。
またも波乱が!?
楽しんで頂けたら嬉しいです。
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「うう~ん。」
うめき声を漏らしながら、意識が戻ってきたタカ人族のアアカッタが、
「なんか美味そうなにおいが、、。」
肉団子汁のにおいに反応して呟いた言葉に、
「あなたの分はないわよ。」
キツい口調の言葉が返ってきた。
はっ
意識が戻り開いた目に、もっふりした小さなおしりが映った。
おしりが振り向くと、それは”もふもるん”だった。
※もふもるんはモルモットのような小動物系魔獣。
振り向いたもふもるんが、
「やっと意識が戻ったようね。」
声を掛けてきた。
「お前、なにもんや?」
警戒しながら問い掛けると、
「先に名乗るのが”礼儀”なのよね。
まぁいいは、わたしはもふぃ、見ての通りただのもふもるんよ。」
胸を張り、なんか偉そうに名乗られた。
「普通、か?
まぁええ、オレはタカ人族のアアカッタや。」
ぶっきらぼうに名乗ると、
「あんた、態度が大きいのよ。
立場をわきまえるのね。」
そう言うと、もふぃがもそもそと服の中に入り込んできた。
「ちょ、やめ、こそば、ひゃ、そこ、ダメや、って、やめ、お、ねが、しま、やめ、くぅ、さいぃぃぃぃぃ!?」
必死に言葉を絞り出し、お願いしたら、
「仕方がないわね。」
言いながら、服の中から出てくれた。
「言う事、あるわよね?」
と問われ、
「はぁ、はぁ、はぁ、すんま、せんしたぁ!」
息を切らしながら全力で謝った。
「それで、あなたの目的は"伝説の最強武器"なのよね?」
「そうだぜ、です。」
「伝説の最強武器は、あっちのフクロウ人族の娘と主従契約してるから取れないわよ。」
そう言われて引き下がるわけにはいかない。
「では、どうすれば?」
へりくだって問い掛けた。
「そうね、主従契約が解除されるか、主が亡くなれば契約解除になるわね。」
もふぃが重要な事をぽろっと言ってくれた。
それを聞いて、アアカッタの目がキランと光った。
「いい事聞いたぜ!
おっりゃー!」
手と足に付けられていた拘束具を、完全鳥形態(要するに普通のタカ)の姿になってすり抜け、ルゥーアに向かっていった。
そんなアアカッタを見送りながら、
「はぁ、話は最後まで聞くものよ。」
もふぃが呆れ声で呟くのと同時に、
バン!
嘴から突っ込んでいったアアカッタが不可視の壁に思いっきりぶつかって、落ちた。
「いってー!」
タカの姿で転げ回るアアカッタに、
「主は"伝説の最強武器"の加護に守られてるわ。
だから簡単には殺れないわよ。」
もふぃが説明してくれた。
それを聞いたアアカッタは、
「ち、ちくしょー、覚えてろよー!
バーカ、バーカ、バーーーカ!」
捨て台詞を残し、ふらふらしながら飛び去った。
そんなやり取りをしている間も、まんまるとルゥーアは気にせず食事を楽しんでいた。
のだが、
「もふぃ、その加護がどうとか、聞いてへんで。」
まんまるにしっかり聞かれていた。
如何でしたか?
う〜ん、相変わらずぽんこつさんばっかりな気がする。
ほんとどうにもならない。
そして、やっぱりやらかすもふぃの運命は!?
次回は明日の零時に更新予定です。
よろしくお願いします。




