BULLET-9:聞こえてない、よね?
予約設定を忘れていました。
申し訳ありません。
まんまるとルゥーアのほのぼのな一幕。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
□■□
ルゥーアは問いかけに答えず、突然真丸を地面に置いたようだ。
見えるのは地面と空。
『緊急やて言ってたけど、どしたんやろ?』
ルゥーアが自分を手放したようだが、真っ暗にならないので能力はちゃんと働いているようだ。
けれど音は聞こえない。
『ん、これは?』
ふと見た能力一覧に"音を感じる"というのが見えた。
『なんか、それっぽいな。
設定、っと。』
内容も確認せずに設定したら、
「あっぶなかった、ほぉ。」
ルゥーアの声と共に、
しゅぅーーーっ、ぱちゃ、ぱちゃ、ぱちゃ
水が地面に当たる音が聞こえた。
それで察した。
『なんや、トイレに行きたかったんか。
って、ここめっちゃ開けてるけど大丈夫なん?』
そして心配になった。
こんな場所で用を足してて大丈夫なのか、と。
『ルゥーア、聞こえるか?』
とりあえず声を掛けてみた。
「ぬななな、まんまるさんの声が聞こえる、ほぉ!?」
ルゥーアの驚いてる声が聞こえてきた。
『どんくらい離れたらあかんくなるんかはあれとして、触れとらんくても会話はいける。』
ひとり納得しながら、
『ルゥーア、そのままでええからうちの質問に答えてくれへんか?』
声を掛けた。
「うぇあ、ははははひぃ、大丈夫です、ほぉ。」
なんか焦った感じだが、了承の返事が返ってきた。
□■□
とりあえず最大の危機は脱した。
しばし開放感を味わった後、下着に目が向いた。
ほんのちょこっとだけ、やらかしてしまっていた。
「あっぶなかった、ほぉ。」
実はすでに何度か大失敗をやらかして、下着を汚してしまっていた。
なぜかタイミング悪く、魔獣と遭遇してしまうのだ。
汚れ物などを洗濯しようにも、水場が見つからず、替えの服や下着、それに飲み水も無くなりかけていた。
この先の事をまんまるに相談しようと考えていたら、
『ルゥーア、聞こえるか?』
突然、頭の中にまんまるの声が響いた。
「ぬななな、まんまるさんの声が聞こえる、ほぉ!?」
驚いた声をあげながら、まんまるの方に目を向けた。
「触れてなくても、聞こえるんだ、ほぉ?」
とか呟いていたら、
『ルゥーア、そのままでええからうちの質問に答えてくれへんか?』
声を掛けられた。
早く終わらせようと力を入れたら、
ぷっ
おならをしてしまった。
「うぇあ、ははははひぃ、大丈夫です、ほぉ。」
顔が真っ赤に染まっていく。
かなり短く小さい音だったので、気付かれていない、はず。
そんなルゥーアの焦り気味の返事を気にしていないようで、
『この世界の事、詳しく教えてくれへんか?』
まんまるが問い掛けてきた。
「この世界のこと、ほぉ?
どうして、そんな事が聞きたいんだ、ほぉ?」
問い返したルゥーアに、少しの間のあと、
『うちは"別の世界"から"転生"してきたみたいなんや。』
まんまるから衝撃の言葉が返ってきた。
如何でしたか?
かなりぽんこつっぽいルゥーア。
全ての能力が開放されていないまんまる。
どんな冒険が待っているのか?
次回は明日の零時更新予定です。
よろしくお願いします。




