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ポーカーフェイスのチヨちゃんを振り向かせようとした、僕はサトシです

作者: りすこ
掲載日:2022/12/01

今年もなろラジ大賞、始まりましたね。賑やかし参加です。1000文字の超短編になります。

 あれは小学校の入学前。


 おニュウのランドセルを背負った僕は、雄叫びをあげていた。


「ワシも小学生じゃー!」


 ジャンプしたら、道に捨ててあった缶コーヒーを踏んで滑った。


 転んで、膝小僧をすりむいた。痛い。


 僕はしょぼくれた。



「大丈夫?」


 泣いていたら、同じ幼稚園に通うチヨちゃんが声をかけてくれた。


 チヨちゃんはポーカーフェイスな子でお話をしたことはなかった。

 チヨちゃんはスカートのポケットからひまわり柄の絆創膏を出して、膝小僧に貼ってくれた。


「痛いのバイバイ」


 チヨちゃんを見ていたら、僕の涙はひっこんだ。


 僕はチヨちゃんを好きになりました。




 あれは小学五年生の頃。


 かーちゃんがラブレタァの話をしてくれた。


「おとうったらヤクザみたいな顔をして筆まめだったのよ」


 とーちゃんは好きと書いて、かーちゃんに手紙を渡していた。


 僕もチヨちゃんに好きじゃあ!と紙に書くことにした。


 でも筆圧が強くて、えんぴつの芯が折れた。


 六本続けて芯を折った。


 僕はしょぼくれた。



 ふとテレビを見たら、星座占いの運勢が最下位だった。


 ラブレタァを書くのは諦めました。




 あれは中学一年生の時。


 夏祭りにチヨちゃんを誘おうとして、できなかった。

 チヨちゃんが風邪を引いてしまったのだ。


 僕はすぐに神社に走り、社務所で叫んだ。


「健康祈願のおふだ、一枚!」


「千円です」


 財布には百円しかない。


 僕はしょぼくれた。



 トボトボと帰り、健康祈願と書いた手紙をチヨちゃんの家のポストに入れた。


 チヨちゃんが元気になりますように。

 体育祭ではフォークダンスを一緒に踊れますようにと願いました。




 あれは高校二年生の時。


 チヨちゃんが量子力学なんて、難しいことを言った。

 僕はすぐにスマホで検索して、知ったかぶった。


「シュレディンガーの猫のことだな!」


 チヨちゃんは「物知りだね」と言ってくれた。


 僕は舞い上がって、にゃあと言った。


 後で検索しなおしたら、シュレディンガーの猫は難しくて理解できなかった。


 チヨちゃんの頭が良くて、しょぼくれました。





 高校の卒業式。

 僕は決心した。


 チヨちゃんに告白する!

 屋根裏部屋で練習した台詞を言うんだ!


 僕は制服のボタンを漢らしくむしり取った。

 チヨちゃんにボタンを差し出す。


チェックメイトして(完敗です)! 好き!」


 チヨちゃんが笑った。


「サトシくんは私を笑わせる天才だね」


 チヨちゃんが頬にキスした。


 僕はしょぼくれなかった。



 キスが尊すぎて、リーゼントヘアはぐらんぐらん。


 僕はヤンキーのサトシです。






腹田 貝さまよりイラストを頂きました!


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


サトシはこの顔で脳内再生してもらえると嬉しいです♪

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― 新着の感想 ―
[良い点] しょぼんとなるけど、諦めずにチヨちゃんの為に何度も頑張るサトシがとても素敵です。 サトシパパは強面。サトシはパパ似なのかなぁ。。。
[一言] めっちゃ面白かったです! サトシ!Well done.
2023/04/13 18:54 退会済み
管理
[良い点] 「なろうラジオ大賞4」から拝読させていただきました。 一瞬、リーゼントヘアもテーマワードにあったっけと確認しちゃいました。 「昭和の漢」サトシはチヨちゃんを大事にするでしょうね。
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