④《リビング・デッド 上巻》
実はフリーの小説家。
ツイッターやってます。
「@Ichigo_Milk___」
キャラクター紹介
ナカノ・メア
焼野原高校一年の男子生徒で中家鬱が驚かせるための実験体の一人、昔からの幼馴染。
霊銃を使い生還する。
王牙白狼
白髪で筋肉質の黒斬高校一年生徒の男。
前髪がオールバックにしており制服はきちんと着ている。剣道部であり木刀は普段から所持している。
サリィ
桃色髪ロングツインテールを好んでいる。
頭にはバイザーを装着。
衣装は迷彩服の軍服コスチューム。
中は白タンクトップで少し胸が出ている。
WWHO
全世界で一億人DLの大人気オンラインゲーム
その中の一人の女の子がゲームから現実世界へ。
ある男の子がそのゲームの夢を見て、F型アバターの女の子が空想内で具現化された。
その女の子は訳が分からないままオンラインゲームの中でしばらく生活することになった。
ゲームを始める前にいないはずの妹に勧められた。
地獄魔法少女(雅)/星蝕ステラ
黒髪ロングを束ねてツインテール(ドーナツ型)
黒色と彼岸花柄の着物に下の丈は短いスカート
右手にはピンク色のおもちゃの水鉄砲(霊水銃)
腰巻には綱を巻いてリボン結びの女の子。
プロローグ ー 時/現 ー
私はある日突然目を覚ました。
特に意味は無い、はずだった。
しかし起きて見ると、そこは荒れ果てた荒野。
このバイザーのシステムなのか左上にはHPゲージが三つある。つまり三回食らうとゲームオーバーになってしまう。
右下にはアイテムボックスや薬莢の数などが表示されている。
そんな事より右往左往と目を何度も泳がせて確認して確信した。
「ここは……ゲームの中……?」
砂煙が舞い上がる中見上げる太陽は本当の太陽みたいに明るくて若干の暑さも感じる。
「とりあえず……生きなきゃ……!」
私はゲームのルールを把握して、銃やナイフを拾い戦場へと向かった。
第一章 ー 現/時 ー
焼野原高校では一部オンラインゲームが流行しているとの噂で、読書の秋と言うよりはこれから冷えていく寒さに慣れて行くかのように家でオンラインゲームをする生徒がいるらしい。
ナカノも多少は気になるだろう歳頃ではあるが、正直それどころではない。
「今日は次元斬りがうちの高校に来るだと……?あぁ……きっと保健室のバニーガール先生にでも用があるんだろうな」
俺は茶色くなった木の葉を見ながら中家と会話をしている。
「なんでも警備を頼みたいんだってあのエリート高から。不思議だよね?」
確かに不思議だ、俺が一体何をしろと言うのか……。
一寸先の未来が視えるあいつが勝手に一人でやれば良いだろうに。
「それがどうにも俺じゃ駄目なんだろうと思っているからこそお前、ナカノに頼みたいんだ」
いつからそこに……。と少し驚きそうになったが。
まぁ今は放課後なので別に構わないかと納得。
「うちの生徒が一人いなくなってな……しかも気付いたのは俺だけだ。他の生徒はその消えた生徒の事を知らない、何故だかわかるか?とは言え家にもいないらしくてな。一体どこへと行ったのか……まぁお前に言われる前に一寸先の未来を視てみたが、なんだかこう……二階の個室の中に小さな画面が見えたんだ、小さく渦を巻いているような……」
小さな画面と言うと絞られる条件は今で言うとスマートフォン、パソコン、少し前にもなるがガラパゴス携帯、タブレット、ワンセグなどが含まれるだろうが……。
「もっと他に無いのか?そいつが画面内で出来ていた事とか?」
その時はまだ次元斬りは確信は無かっただろうが……。
「確かその消えた男子生徒はゲームが趣味だったような……」
最近になって消えた新たに生まれたワードが男子生徒でゲームになるともしかするとアレが原因かも知れない。
「中家。俺は当分風邪だと言って学校に連絡しといてくれ。行くぞ次元斬り、そいつの家まで案内しろ」
まさか焼野原高校だけで流行っているとは思ってもいなかったがやはりオンラインゲームとなると視野は凄く広くなるもんだな。
「気を……付けてね……」
夕方、中家は誰もいない教室で一人握った両手を胸に近付けて願う。
第二章 ー 鬼/危 ー
次元斬りに案内された某所都内にある大きいマンションには一人暮らしの男の子が住んでいたらしい。
が、その部屋にはもちろん鍵がかかっていたので次元斬りに斬り裂いて貰い中に入る事が可能になった。
人の気配も無く荒らされた形跡も無く、ただぽつんと閉じて無いPCが置いてあった。
画面は真っ暗だが少しだけだが嫌な気配も放っている。
「殺風景だな。それにきちんと整理整頓されている。部屋も暗いな……」
早速次元斬りは気付いたらしいPCの画面から漂う怪しい臭いに。
「破ッ!」
王牙白狼の木刀はPC画面の中へと次元を斬り裂く様に入り込み切り口を開けた。
「ここから先は俺は行けない。何故ならお前を救出しないと行けないからだ。後は任せたぞ」
次元斬りは真剣な表情で俺に頼って来た。
なら俺もそれなりに答えるしか無い。
「月曜日から金曜日までの五日間の深夜三時を一度目処にしてまた次元を開いてくれ。きっとあちらからじゃあ通信は出来ない。頼んだぞ次元斬り」
ナカノはそう言ってPC画面の中へと飛び込み吸い込まれた。
第三章 ー 粒/理 ー
砂漠ステージには地下があり水が天井からポタポタと落ちている。
薄暗くて不気味な所に迷い込んだサリィは大きなロングカールツインテールを揺らしながら歩く。
「さっきから隠れて見てるけどさ……何なのあの邪教徒達は……。黒装束を身に纏って骸骨の仮面って凄く趣味悪くない?と言うかユーザーじゃないからレーダーに映らないだけ?隠れてもマップでバレるかと思ったんだけど……」
などとぐちぐち言っていると倉庫みたい所を見つけた。
「ここ良い武器あるじゃん!鎖と鎌と投擲ナイフ……まぁ変な宗教団体がいる所はこんなもんよね……それに邪教徒なりきりセットがある……まぁこれで奥まで潜入出来るから良いか。バレないか心配だなぁ……」
とは言え少しは楽しみなので邪教徒になったつもりで地下には教会があるのでそこまで行く事にした。
◇
先程から邪教徒は何か低い声でボソボソと独り言を言っている、それも一人一人がでは無く全員がそうなのである。
これは何語なのか……。私には聞き取れない。
「とりあえずレアなアイテムがまだあるのか……必需品アイテムがあるかチェックしなきゃ」
誰にも聞き取れない声でボソっと覚悟を決めた。
しばらく地下教会内の壁際で様子を伺っていると鐘が鳴り出し邪教徒達はゆっくりとのっそりと教会を抜け出して外へと出て行く。
「侵入者とか?でもこれでこの地下教会には誰もいなくなったわ。何か探さなきゃ」
一人地下教会に残った邪教徒は部屋中の隅々までキーアイテムを探していた。
一方でWWHOの世界に二番目に生身でのリンクに成功したナカノの姿は頭にはバイザー、黒いパーカーにポケットがいくつかある黒いパンツ姿へと変わっていた事に気付いたのは破れた鏡に映っていたからである。
「これが俺か……持ち物は無し。HPと言うやつも三つしか無い。つまり三回被弾したり傷を負えば死ぬんだな、特に俺なんかは……?いや待てよ……じゃあ最初に来た黒斬高校の生徒ももしかして危機的状況なんじゃないのか」
もし、もう既に死んでいたら。
と言う考えは捨てて隈無く闇雲にマップを頼りに行動して見た。
するといくつか足跡があるが一つだけまだ少し新しい足跡がある。
「しかし最近消えたんじゃないのか……ついさっきこっちに来たのか?何故か微妙に辻褄が合わないな、とりあえず新しい足跡だからまだその生徒は死んで無いと推測して良いだろう。道は……この廃ビルが並んだ砂漠ルートで合ってるな」
敵にバレない様に進もうとするが正直ゆっくりしている場合では無いのでそのまま突っ切ったナカノ。
「霊銃は使える無いのだろうか……。それにこのままじゃ生きて行く上でアイテムが必要になって来るな。どこかで拾わないと」
一際安全そうな地下に入って行くと奥の方から警報音が鳴っている。
既に俺が侵入した事に勘付かれた様で黒いローブを羽織った連中が走って俺の方まで向かって来ている。
「何だ。まさかエネミーか……?とりあえず霊銃で倒せなかったら今度こそ本当に白兵戦だ!」
ナカノは異空間から霊銃を取り出してばら撒く様に撃ち抜くと黒いローブの連中は直ぐに倒れて動かなくなった。
「奥はまだ道があるのか、進むしかないな。ただ俺より先に先客がいるな……?女の匂いがする」
多分もう一人敵がいるかも知れない。
気を引き締めて行こう。
そして奥へと進んで行くともう一人黒いローブの手下が何かを必死に探していた。
しかしその探し物をしていた手下が俺に気付いたのかすぐさま俺に振り向き銃口をかざしている俺に手をパタパタと振り仮面を取り黒いローブを外した。
「ちょっとストップ!私は人間!人間だから!撃たないで!」
第四章 ー 百/二 ー
「ちょっとストップ!私は人間!人間だから!撃たないで!」
そう言われたので仕方なく霊銃を振り下ろす。
「お前。こんな所で何をやっているんだ?ここには何にも無かったが?それより……」
あ、あ!名前ね!名前は「サリィ!」よ、よろしくお願いしまーす!。
性別は男の子です!。
と、サリィは答えるがどう見ても女にしか見えないし男の要素が無い、が……。
「とりあえずここを出る前にアイテム庫まで行くぞ。そこなら誰にも見つからないだろう」
ナカノはそう言ってサリィも後ろから付いて行った。
◇
「やけに薄暗いな……。で、お前なんだな?PC画面の向こう側に吸い込まれた被害者って言うのは」
何故バレたのか。と言う表情を見せたのでこれは間違いなく黒である。
「どうやってこのゲームの中に入れたんだ?誰に誘われたんだ?」
サリィは少し困惑しているものの、コホンと一度仕切り直してこう答えた。
「確かあの時……妹に誘われて……うーんとでも私に妹は居なかったハズなんだけど……どんな顔かも思い出せないや」
頭を抱え振ったり指で捻ったりしているがどうも思い出せないらしい。
「お前に妹ねぇ……そんな事聞いた事……。お前、将来の夢とかあるのか?」
ふぇ!?と凄い表情で反応しているサリィ。
まぁそりゃ突然だから仕方ないけどな。
これはこいつが今後生きていけるかどうかの大切なヒントになるかもしれない。
「う、宇宙……飛行士に……なりたい。ハズなんだけど……あれ、おかしいな……なんか涙が止まらないんですけど……」
ポロポロと頬から流れ落ちる涙、それはきっと偽りの自分からほんの少しだけ真の自分に近付けたからかもしれない。
「お前は男だけど前世が男だった。居ないハズの妹も本当は存在しない妹だったがこの数年間をお前はその妹と過ごしたんだ、きっとここにお前が来た理由もここにある。ほらさっさとここを出ようぜ。まだユーザーエネミーが80人から減ってないんだ。こいつら全員倒してからだな」
俺はサリィに手を差し伸べた、するとサリィは涙を拭き明るい笑顔で俺の手を握った。
「オーケー近接遠距離攻撃は任せて!」
そして俺たちは廃ビルへと再び向かった。
エピローグ ー 一/人 ー
現在の合計人数は75人と言った所でしょうか。
オアシスゾーンの水辺には一組のチームプレイヤーが沢山水を補給しています。
それではわたしがそこを襲撃しましょう。
他人の不幸は蜜の味とは良く言いますね。
「顕れよ!氷帝ヒュドラ!炎帝ワイバーン!」
氷の霧を身体中から発生させ、その大きな巨体は素早くオアシスゾーンへと向かった。
炎帝ワイバーンは鋭い羽と武器のような尻尾から炎の霧を発生させ、その大きな巨体は素早くオアシスゾーンの空を陣取った。
「突然シークレットボスが現れると面白くありませんか?戦いたくありませんか?さぁ皆さん今から今より醜い闘争のお時間ですよ」
その頃オアシスでは次々と悲鳴や銃声が鳴り響き数分後には静まり返っていた。
「しかしまたこの様な形で世界を破滅に導く者として現界するとは……嫌なものですね、性とは」
星を蝕む者は嫌悪な表情のまま闇の中に消えた。
あとがき
こんばんは、いちごみるくです。
今作はまだ始まりに至る場面が多々ありました。
正直一巻で完結出来る内容量では無いな、と書いてる時に思っていました。
なので、これはもう上巻下巻に分けるしかない!と思って急遽変更したと言う感じです。
(多分)下巻で完結するでしょう!乞うご期待下さい!それでは皆さんごきげんよう!。